2021.09.21

深町秋生【探偵は女手ひとつ】

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著者:深町秋生
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2019/01/10
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-77783-8

まったく新しいタイプのヒロインが胸のすく活躍を見せる連作ミステリー!

元警官の椎名留美は、同僚と結婚して退職したが、その夫が殉死して残された娘とともに暮らしている。
探偵社を起業したが、仕事は本来の探偵だけでなく、むしろ「新規オープン店で代理で並んだり、農家の作業を手伝ったりしている。

全体に事件はかなり辛い話が多いが、それを山形弁が補っている。耳で聞いたのなら理解できないことがあるかもしれないが、文字で読むと楽しい。

【紅い宝石】

 紅い宝石とは、サクランボのこと
元上司の警察署長から依頼を受けたのは、サクランボ泥棒容疑者の見張り。
東根市というのは実際にもサクランボ農家がおおいところらしい。季節になると「サクランボ泥棒」の話題があるので、多分有名なところなのだろう。

【昏い追跡】

万引きをした女生徒が自殺した。きつく叱りすぎたからではと、廻りの目は冷たい。
だが女生徒が現場で持っていたのはガラケーで、自殺したとき家にはスマホが残されていた。

違和感を抱いた留美は、その先を追求する。

【白い崩壊】

条件がよいのでうっかり訪ねた場所は、いまはカタギだという企業。刑事時代に相対したことのある「社長」の依頼は、行方不明になった従業員(若い女性)の捜索。
断るつもりだったが、彼女たちのことを思って助けに行く。

短編集だが、一つ読んだからハイ次ぎ、とはならない。一つ前の【昏い追跡】も【白い崩壊】も、ずしっと重たいから。

【蒼い育成】

「育成」とはそういう意味だったのかと、終盤近くなって知る。

冬の便利屋は、ひたすら雪下ろし。体力勝負だ。

その中で吝嗇な依頼主から頼まれたのは、彼女の店子を調べること。

思いがけない結果が待っていたが、そのケチなおばさんにも純情なところがあったのだった。

【黒い夜会】

今回は留美の「時折相棒」逸平ちゃんがターゲット。彼の妻に頼まれた浮気調査だ。

しかし彼のやさしさが伝わってきたし、無事友人を救えて、今回はいい話だった。
もっとも途中は随分と怖い話もあったが。

【苦い制裁】

ストーカーに付け狙われていると依頼してきた男。

だが実際は……。

けなげに生きている姉妹の話で、一番ほのぼのしたかな。
留美も、彼女たちからは依頼料を取らなかった。

こういうくずな男は、しっかりと「制裁」されるべきだ。

初めての作家さん。女性らしからぬハードボイルドな作品が多いようだ。
しかも、警察官であっても合法とは言い難い手法を使うような主人公も多い。

本書も結構危ないやり方があった。

 

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2021.09.20

たたみかけてものを買わないこと

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オンラインで使える「kakei+」を使い始めてから、1年経った。

この「kakei+」のサイトからは、定期的にメルマガが来る。

時折「羽仁もと子の言葉」というのもある。
羽仁もと子さんは、「友の会」の創設者であり、「婦人之友家計簿」の発案者だ。

最近のメルマガに、「たたみかけてものを買わないこと」というのがあった。
「たたみかける」とは「たたみかけてものを言う」といった使い方をすると思うのだが、この場合は買物を指している。

著作集の「家事家計篇」に「買いものについて」という章があり、「買いものの心得」として表題に書いた「たたみかけてものを買わないこと」と強調されている。

ストックを切らさないようにモノを買うのではなく、ストックがないときにこそ次を買うまでのつなぎを工夫して乗り切れということのようだ。

この「ストックを持ちすぎない」というのは、今ミニマリストや断捨離関係でよく聞く言葉ではある。

ストック大好き人間としては、肝に銘ずるべき言葉かも知れない。

 

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2021.09.19

仁木悦子【陽の翳る街】

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著者:仁木悦子
価格:660円
カテゴリ:一般
販売開始日:2019/03/08
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
ISBN:978-4-06-183313-5

パン・菓子屋の娘・青瀬悠子、推理小説研究に熱中している大学生・高城寺拓、女性雑誌フリーライターの有明留美子、書店の独身店主・数々谷浩平。推理小説研究会・モザイクの会の4人は春の夜、どんぐり坂で殺人事件に遭遇した! そして、なんとその被害者は、記憶喪失にかかっていることがわかり……。さわやかで、面白さ満載のミステリー。

 

【花の散る街】【翳のさす街】【夢を売る街】【雨の降る街】【陽の沈む街】【風の荒れる街】【愛の灯る街】

いずれも「街」のつく語で終わっている章タイトルを観て短編集かと思ったが、違った。

被害者は、戦争中以前の記憶を失っているという、ちょっと変わった経歴の持ち主。
書店店主浩平は、自分の故郷で幼い頃隣に住んでいた人と間違えて声を掛けたことがあった。

ところが、その元隣人も働いている先の一家の殺人事件に巻き込まれたあと、突然姿を消していた。

この辺りから、話は断然面白くなる。

登場人物が多く、しかも同一人物で違う名前になっていたり、これが日本の話だからいいものの、外国人だったらメモなしではこんがらがってしまう。

途中、仲間の一人の不可思議な行動があったりしていたが、最後はうまくオチがついてよかった。

こうした商店街も、今は殆ど見かけないなぁ。

 

「モザイクの会」の一人拓は、【青い香炉】で仁木雄太郎と同じ宿に泊まった大学生だということを、あとで知った。最初はヘラヘラした若者かと思っていたが、気遣いのある心優しい青年だった。

 

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2021.09.18

手帳の季節がやってきた

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毎年9月になると、様々なダイアリーや手帳が売り出されはじめる。

悩むのは毎回のことだが、去年は特にひどかったような。

結局三つ使うことで落ち着いて、以後は他のところは見ないようにしようと決心したのだった。
この三つは、他のものを購入してもずっと買い続けてきたものたちで、本当は二種類に絞るべきだろうが何となく続いている。

 

まずはダイアリー

「マークス 手帳 2021 スケジュール帳 ダイアリー EDiT 1日1ページ 2021年4月始まり B6変型 リフィル 21SDR-ETA-RFL」

リフィルなのでカバーはずっと同じものを使っている。気に入っているのでへたってきたときも同じものを使いたいのだが、最近は売られていないようだ。

同じEDITの「マークス 手帳 2021 スケジュール帳 ダイアリー ウィークリー・レフト 2020年12月始まり B6変型 ジュエリー・ストーン ブルー」と同じカバー。
こちらは今年度から使い始めた4月始まりのお仕事用。

手帳二種類

「クオバディスプレーン」と「クオバディスビソプラン」。

これについては別記事で(?)

手帳のはずが、ダイアリーになってしまった。

 

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2021.09.17

篠宮あすか【あやかし屋台なごみ亭 : 1 金曜の夜は不思議な宴】

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著者:篠宮あすか
価格:528円
カテゴリ:一般
販売開始日:2017/03/29
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
ISBN:978-4-575-51948-8

成人式の翌朝、二日酔いで目覚めた浩平の部屋には、見知らぬ男性・コンがいた。戸惑いながらも、浩平はコンに連れられて中洲の屋台、なごみ亭に行く。店主のなごみと、実は神使の見習いのお狐さんだというコンの働くその屋台は、訳ありのお客とあやかしが集まる、ちょっと変わったお店だった。

どこかで見たことのあるような設定。同様の本は多いのか?

「あやかし」ものは、そんなに好きではない。

最初はあまり乗れなかったが、次第に面白くなってきた。

博多名物「屋台」が舞台だが、この屋台は金曜日にしか開店せず、しかも積極的に客を呼び込んでいるわけではない。

味覚障害になやむ浩平はこの屋台「なごみ亭」で働く内、しだいにその魅力にはまっていく。

店主のなごみは、金曜日だけこの屋台を置き、他の日は違う仕事をしているようだ。といっても料理関係のようで、料理の腕はよい。

最初に浩平を屋台へ連れて行ったのは、狐の「コン」。

 

次は猫又の「ミー」。少女に飼われているが、その最期を知ってしまって、自ら彼女を救う。

 

次は天邪鬼。鬼の子どもだ。

 

最期が、浩平の事情。
母親が看護師だった彼は、母の仕事の関係で一人ご飯が多かった。
頑張って弱音を吐いていなかったことが、結局味覚を感じないという症状になって表れていたのだ。

なごみ亭に通ううち辛みを取り戻すときもあったのだが、完全には治らなかった。

それが、自分を守ってくれていたあやかしとの出会いで、味覚を感じるようになる。

 

それぞれのあやかしはそのままの姿を見せたり、人間の姿を借りていたり。

主を救った猫の「ミー」が哀れだった。
いや、本人(本猫?)は満足だっただろうが。

 

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2021.09.16

しんどい世の中「目ぇかんで死ね!」

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しんどい世の中「目ぇかんで死ね!」 笑ってたくましく切り抜けよう

「まだまだ関西」の記事かなと思ったが、そうではなかった。
かなり切実な「死ね」と言われた話。

目ぇ嚙(か)んで鼻嚙んで死ね!』は、関西人にとってはご愛敬だがすれ違いざまに「死ね」と言われたらやはり気分はよくないだろう。

記者は関西在住日が浅いようだ。

 

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2021.09.15

土井善晴【学びのきほん くらしのための料理学】

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著者:土井善晴
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2021/03/25
出版社: NHK出版
利用対象:一般
ISBN:978-4-14-407267-3

「伝統の料理と進化する料理」「日本と西洋の食文化」「プロの料理と家庭料理」などの対立するテーマを比較し、それぞれの意味や目的、またその交わりから生まれた「料理の概念」について考察する。【「TRC MARC」の商品解説】

 

著者の【一汁一菜という考え方】に救われた人は多いと思う。

料理が「苦」になると、せっかくの気持ちが台無しになる。
そうではなく、普段の料理はもっと気楽に作ろうと仰って頂くと、気持ちがスッとする。

 

日本人の暮らしの中にあった「ハレ」と「ケ」の境目が、だんだんはっきりしなくなっている。

普段の暮らしにもご馳走があり、正月だからといって、お節は一応用意しても、晴れ着を着るひとも減った。
むしろ個々人の祝い事の方が大切になってきたような。

著者は「ハレ」と「ケ」の中間というか、「ケハレ」という言葉を使っていらっしゃった。

 

時折読みかえして、気持ちを新たにしたい。

 

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鮎川哲也【宛先不明~鬼貫警部事件簿~】

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著者:鮎川哲也
価格:605円
カテゴリ:一般
販売開始日:2013/12/13
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
ISBN:978-4-334-74812-8

秋田市内の公園で男性の絞殺死体が発見された。被害者は東京の印刷会社勤務のサラリーマン。東北旅行の最中、何者かに電話で呼び出され殺害されたと判明した。捜査線上に浮かんだ容疑者には、しかし、鉄壁のアリバイがあった。

 

短大の同窓生である主婦二人の会話から始まるが、それはいつの間にか飛んでしまい、途中からはもっぱらアリバイ崩しになる。

容疑者が気の毒なだけに、この人が真犯人ではないという結末を期待していたのだが、そうではなかった。

容疑者の用意した「鉄壁のアリバイ」というのを崩していく鬼貫警部に焦点があたっていく。

それにしてもこのタイトル。
タイトル付けに悩んでいた著者に、おつれあいのひと言で決まったとか。
まさに正鵠を射ている。

カバーの、タイトルと郵便ポスト。これが大きな伏線である。

 

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2021.09.14

甘酒 「飲む点滴」で夏の疲れ防止

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(元気にキレイに)甘酒 「飲む点滴」で夏の疲れ防止

この「飲む点滴」という話しをどこかで聞いて以来、割合意識的に甘酒を飲んでいる。

手軽にこうしたパック入りを購入しているが、むかーしおばあちゃんが麹で作ってくれた甘酒を思い出す。

 

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2021.09.13

服部まゆみ【この闇と光】

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著者:服部まゆみ
価格:616円
カテゴリ:一般
発売日:2014/11/22
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-102381-5

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。

 

父親と他国の女が同一人物だというのは、何となく判った。

しかし「この国」が日本で、話しているのは日本語。階下にいる兵士たちのことが英語のことだったとは。

最後に元の家に戻され、彼女は彼だったことが判明する。

森の奥の家というのも、実際に存在していた。彼女が楽しんだ庭もある。

これらすべてが実際の場所ともリンクする。

幻想的というか、だまされた(だろうと言われた)気もするが。実際にはそれほど意外ではないというのが本音のところだ。

 

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