2020.09.20

ドラマ【刑事コロンボ 第二十五話 権力の墓穴】

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冒頭、妻を殺した犯人だが、今回はなんというか「犯人オーラ?」がないと思ったら、実は主犯になる人物は別にいた。
その主犯と先の犯人とのボソボソ声での会話が、聞き取りにくかった。

だが、しだいに引き込まれる。
主犯は、なんとコロンボの上司。これは一筋縄ではいかないだろう。
その通り、なんとか近所を荒らしている泥棒の仕業にしたい上司と、その命令に従わざるを得ないコロンボの葛藤。

「(泥棒の)偽のプロフィール」を作るとは、コロンボ窮余の策とはいえ……。
だが、コロンボが上司の命令通りに動いた結果で、罠に陥る犯人。

最後の犯人突き止めが、爽快。

 

最初の事件でもみ消しを買って出たのも、自分の犯行に利用する気があったのだろう。
しかし、いきなり妻を殺したときは、仰天した。財産はほぼ妻のもので、慈善事業などに使っているのを苦々しく思っているのは示唆されていたが。自分の立場を考えなかったのかなぁ。

全体に夜の場面が多く、暗くてはっきりしないところがあったのが残念。

 

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2020.09.19

福田和代【バー・スクウェアの矜持】

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著者:福田和代
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2016/04/21
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-41713-0

バー「スクウェア」を中心に事態は動き、男たちが描いたシナリオは佳境へ…。【「TRC MARC」の商品解説】より

【バー・スクウェアの邂逅】の続編。

少しずつ、リュウの素性に迫っていく。
だが最初の方は、それとは無関係に進んでいく。

【マザー】

まさに「マザー」。母性愛に訴える。


【赤ちゃんに乾杯?】

これは、なんとなく番外編という感じ。
「スクエア」の二階にあるゲイバーのママには、子どもがいた。
その子とリュウや、バーのホステスたちの騒ぎを描く。

 

リュウの父親を殺したのは誰か?

【ブラッディ・ハート】・【デッドエンドストリート】と進み、最後は、思いがけない逆転劇で終わった。

結局、三田は蚊帳の外だったのか?立場を考えてくれたのだろう。

 

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2020.09.18

名探偵ポワロ(23)「プリマス行き急行列車」

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階下のテレビに外付けのHDDをつけたので、録画が出来るようになった。
このテレビは6月頃買い換えたのだが、自分ではほとんど見ない。

で、この「プリマス行き急行列車」だが、原作を読んだ覚えが無い。早川ミステリーのクリスティはほぼ読んでいるはずなのに……。
どうやら、短編のようだ。ま、1時間足らずで長編のドラマ化は難しいだろう。

いずれにせよ、何十年ぶり(?)の映像ポワロ。
この俳優さんのあたま(形の方)は、ポワロにピッタリだわ。

ホームズもそうだけど、演じている内にそれらしくなってくるのか?

それにしても、当時のイギリスの上流家庭の暮らしというのはスゴいなぁ。

物語の方は、犯人は予想通りだ。

派手で自分勝手な主人公を毎日見ていると、こんな気持ちにもなるのかな。

 

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2020.09.17

有栖川有栖【火村英生に捧げる犯罪】

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著者:有栖川有栖
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2011/06/10
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-781601-8

「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」。臨床犯罪学者・火村への挑戦状が予告する犯罪とは―。 

近くの廃工場から人が出てくるのを見たという夫。
妻が見た時には、その人影は角を曲がるところで、「長い影」しか見えなかった。

という冒頭作【長い影】。

しかしこの「長い影」というのは、ずーーっと引きずってきた過去だった。

本書が書かれた頃はまだ殺人の時効は15年で、しかし日本の外へ出ていた期間はその分差し引かれる。
というのが、今回の犯罪の元になってしまった。

短編集だからもちろんみんな短いのだが、中に【鸚鵡返し】や【偽りのペア】といったごく短いものもある。

そして【鸚鵡返し】は、(多分)珍しくアリスではなく火村が語り手を務めている。
鸚鵡は人に言ったことを繰り返すから、誰かが言ったことを受けてそれを次のしゃべりの頭に持ってくることを「鸚鵡返し」という。
という、ちょっとシャレたのか?

【偽りのペア】では、火村の下宿のおばあちゃん登場。
火村はものにこだわらない性格のようだ。

3人写っている写真の一部を切り取って二人だけを見せるなんて芸当は、よほど上手に切り取らないと難しいだろう。

【あるいは四風荘殺人事件】は、とある高名な作家の遺筆の謎を火村が解くという趣向。

ストーリーそのものは奇抜すぎてイマイチだったが、ここで出てくる「コリオリの力」のことが面白かった。
「台風はなぜ日本を狙うのか」とも関連してくる。
地球は自転しているものね。普段はそんなこと感じない位の距離移動しかしていないということ。

表題作【火村英生に捧げる犯罪】は、おかしな出来事三つがやがてつながるという話。

大阪府警に来た脅迫状。
「火村に犯罪を捧げる」というふざけた内容だが、単にいたずらだと看過することも出来ない。ターゲットは子どもたちだから。
同じ頃、アリスは不審な電話を受ける。自分が書いたものが盗作だと息巻いている人がいるから、東京までその人に会いに来いという。
そして京都で起きた殺人事件。

アリスと火村が、脅迫状と謎の電話から感じ取った言葉遣いの共通性から、真相が暴かれる。

ごく短い短編(?)があると書いたが、それらは携帯サイトに書かれたものだった。

 

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2020.09.16

ドラマ【刑事コロンボ 第二十四話 白鳥の歌】

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本物のカントリー歌手が犯人という、なんとも大胆なドラマ。
でも、妻に頭を押さえられて身動き出来ない犯人は哀れ。

この妻の悪妻ぶりが、犯人への同情を呼ぶのでは?

何回か公演場面が出てくるが、これは実際の公演ではないかな?

また、彼の歌のバックコーラスは若い女性たちだが、その中に妻が入っているのに違和感がある。
可愛いお嬢さんたちの中に意地悪おばさんが混じっているのだから。彼女は、片時も彼を監視しなければ気が済まなかったか。
ま、犯人もおよそ品行方正とは言えないが。

あと、妻の葬儀に(いくら仲が悪かったとは言え)列席せずに馬鹿騒ぎをしているのも、変な感じ。
あげく、コーラスガールの一人を口説くなんて。

飛行機の整備士が楽しかったが、憧れの歌手の前でも平気で「お口モグモグ」というのは、国民性の違いかなぁ。
もうひとり、コーラスガールの衣装の布を用意するおばさんも、個性的で面白かった。
ここの布が盗まれていることが、大きなヒントになっている。

ヒントといえば、飛行機に乗るときに持っていたレンタカーのキーもそうだ。ここは大きい。
そのおかげで犯人の行動が予測でき……。
しかし、サンフランシスコ行きではギターのことに触れていない。
最初の事故(事件)の時にギターをかばって別便にするのもヒントになっているのに。

 

最後の、「ライトの中に浮かび上がる犯人」が際立つ。
この手法は、たしか【パイルDー3の壁】でも使われていた。

 

違和感のあったのが、ここでの重要なテーマの「礼拝堂」。『らいはいどう』と発音していたが、キリスト教では「れいはいどう」のはず。
こうした細かいことは、結構大事では?

 

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2020.09.15

伊坂幸太郎【アイネクライネナハトムジーク】

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著者:伊坂幸太郎
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2017/08/04
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42631-3

情けないけど、愛おしい。ごく普通の人たちが巻き起こす、跡...

 

短編集だが、すべてつながっている。
登場人物たちも、直接ではなくても少しずつつながりを持っている。
伊坂さんらしい、スマートなつながり方。

ただしその分、登場人物たちをしっかりと把握しておく必要がある。

冒頭作【アイネクライネ】では、先輩の失敗でデータが飛んでしまい、その後始末をすべく仙台駅前のペデストリアンデッキでアンケートをとっている「僕」。

著者の本には、よくこのデッキが登場する。そしてここは好きな場所の一つだ。

そして駅のテレビでは、ライトヘビー級のタイトルマッチ戦が放映されている。

「僕」が所用で訪れた学生時代の友人は、当時皆の憧れの的だった由美と結婚している。

このボクシングと、もう一つ「トイ・ストーリー」というアニメとその登場人物のストラップもこのあと頻繁に登場する。

【ライトヘビー】

ここでは、美容師が登場。
客の一人と懇意になり、あろうことか彼女の弟と電話で(のみ)話すようになる。
彼は時々、長期の出張でまったく連絡をくれないときもあるが。

その客の家を訪れて、【アイネクライネ】で描かれていた試合をテレビ観戦する。
実はその新チャンピオンというのが……、なのだが。

彼女が「自慢に思っている友人」というのは、先に出てきた由美だった。

 

【ドクメンタ】

ここでは、妻に出て行かれた藤間がメイン。
その妻からの「さようなら」というメールに動転して、データが消えるという失策をしたのだった。

この章は、非常に面白かった。
なぜなら、自分にそっくりの人たちがいることを再確認できたから。

10年前。藤間は免許更新時に赤ん坊を連れた女性と遭遇する。
聞くと、彼女も藤間と同じようにめんどくさがりらしい。
その頃の藤間は独身で、ただ彼女の話を聞いているだけだった。

ところが5年後(つまり5年前)、藤間はまたも教習所で彼女と再会する。
彼女の夫は彼女のずぼらさに愛想を尽かし、出て行ったという。
ちょうど藤間に子どもが出来、ずぼらさを妻に指摘されるようになった頃だ。

そしてこの年。藤間の妻は子どもを連れて出て行った。
自分がどうも彼の女性のあとを追ったような人生だと思った藤間は、免許更新をこれまでと同じギリギリのタイミングで出かける。
しかし彼女は来ておらず、終わってから買い物に来ていた彼女と再会する。
なんと彼女は、かなり物事をキチンと出来るようになっており、夫も戻ってきているとか。

藤間はそれが自分の未来だと確信し、次の日、銀行口座の記帳に出かけるところで終わっている。

と、一つずつ書いていくと色々あるのだが、伊坂さんらしく、現在と過去を行ったり来たりする。
最初の登場人物たちが結婚して、その子どもたちの話も出てくる。

以下、それぞれのタイトル。

【ルックスライク】

【メイクアップ】

【ナハトムジーク】

最初にも書いたが、スマートに収束する。
会話も、いかにも伊坂さん流だった。

 

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2020.09.14

「無料の特急」誕生50年 街も変えたJR西の新快速

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「無料の特急」誕生50年 街も変えたJR西の新快速

関西は「私鉄王国」と言われるが、やはり子どもの頃からなじんできた国鉄(??)の話はなつかしい。
大阪へ来てからと結婚してからもずっと私鉄沿線に住んでいたが、最終的には(人生の半分以上)JR沿線に落ち着いている。
ちょくちょく、私鉄組と言い合いもする。

新快速に乗る機会はあまり無いが、要するに東海道本線を走っている電車ということ。

うん十年前も今も、同じ線路(もちろん取り替えはあるにせよ)を走っているというのは感動的だ。

いつぞや書いた(っけ?)国府津から糸崎だって、一本の東海道線だし。
「鉄路はつづくよどこまでも」って、いいなぁ。

このところ、非常に鉄分不足なり。

 

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2020.09.13

伊集院静【僕のボールが君に届けば】

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著者:伊集院静
価格:667円
カテゴリ:一般
発売日:2007/03/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
サイズ:15cm/317p
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-275662-4
 

やわらかなボールを胸元へ。キャッチボールにこめられた思い

 

いずれも、野球に関する短編集。
結局読了後時間が経ってしまったので、それぞれの話についての細かいことは忘れてしまった。
 
 
表題作【ぼくのボールが君に届けば】は、少々ピンボケの感あり。
再婚相手の子どもは、決して新しい母親に懐いていないわけではない。
だが、彼女はなかなか苦労している。
 
この話と、子どもが拾ったガラスの人形の持ち主との逸話が、今ひとつしっくりこなかった。
 
【えくぼ】の吉乃は、こんな意地悪な女はまずいないだろうなと思えるようなキャラ。その彼女が、亡くなった孫が松井秀喜と面差しが似ているというだけで、応援するようになる。
 
松井秀喜については、著者の他作品でも見たような。著者自身、ファンなのかな?
 
【どんまい】
【ミ・ソ・ラ】
【風鈴】
 
天満天神付近を描いた一篇。
結局、風鈴については思いが届かなかった。
 
『青田は風鈴を手で握って、それをガラクタの中に放り投げ、夫婦の待つ店へ歩き出した。』
で終わっている。
 
お互い、今の生活があるのだから仕方ない。
 
 
【やわらかなボール】
 
【雨が好き】
 
【キャッチボールをしようか】
 
【麦を噛む】
 
いずれも、野球への思いと関わった人たちとの思いが交差して、「やわらかなボール」のやりとり(キャッチボール)に仕上がっている。
 
 

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2020.09.12

ドラマ【刑事コロンボ 第二十三話 愛情の計算】

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今回コロンボは、メモ帳の代わりに小型録音機を使用していた。ICレコーダーではなく、録音機(だと思う)。
ところが頭出しがうまくいかなかったり、わざわざ探し出して聞かせたりといった作業に時間がかかっている。

一方、「最先端」のロボットも登場するが、こちらも今から見るとねーというところか。

この犯人は、凡ミスをしすぎ。
家の中に被害者を担ぎ込むときも、靴で壁をこする。もっともこれが、犯人特定の一つのヒントになるが。
また、くるまのボンネットの傷も、お粗末ではないか。これを隠そうとして、余計なことをする必要に迫られてしまう。

息子は優秀な科学者というわりには、頼りなくもろそうだ。
彼に比べれば、天才少年の方がよほどしっかりしている。もっとも彼も、少年らしい一面をみせる。そしてそれが、犯行の助けになっているのだが。

この少年の役名が、なんと「スティーブン・スペルバーグ」。第三話【構想の死角】の監督が売り出し始めた「スティーブン・スピルバーグ」だから、相似性に気づいてないはずはないのだが。

 

父親の愛情を「計算」したコロンボのお芝居。そうくるだろうなという展開だった。

 

画像は、5年前。青森のベイブリッジから。

 

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2020.09.11

大崎梢他【アンソロジー 隠す】

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著者:大崎梢他
価格:847円
カテゴリ:一般
発売日:2019/11/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791389-2

誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの−。大崎梢、加納朋子、近藤史恵など、実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちが、「隠す」をテーマに描いた短編小説集。【「TRC MARC」の商品解説】

何と11人もの女性作家(大崎梢 加納朋子 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂美 光原百合)の競演。

テーマは「隠す」で、もう一つ、各短編には共通した「もの」が出てくる。
これは途中で気づいていたが、解説で「読者への挑戦状」的に突きつけられた。
わざわざWEB上で回答を出すまでもないような気がするが。


柴田よしき【理由】

永嶋恵美【自宅警備員の憂鬱】

松尾由美【誰にも言えない】

福田和代【撫桜亭奇譚】

「桜の樹の下には死体が埋まっている」を地で行った話。

新津きよみ【骨になるまで】

光原百合【アリババと四十の死体 まだ折れていない剣】

光原百合さんは好きな作家さんだが、これは頂けなかった。

大崎梢【バースデイブーケをあなたに】

認知症気味でグループホームに暮らす老女のところに毎年届く「バースデイブーケ」。
その送り主「Mさん」とは、果たして誰か?
という謎よりも、このグループホームに興味が沸いた。

近藤史恵【甘い生活】

何でも他人のものを自分のものにしたがる「わたし」。
些細なもののうちはなんとかなったのだが、かなり上等のボールペンを盗んだあげく……。

ひとさまの生活を壊してはダメだ。

松村比呂美【水彩画】

母はなぜ娘を疎むのか?幼い頃から愛されていなかった娘は、母の突然の変わりように驚く。
それは母の、幼い頃に失った息子への贖罪だとわかるのだが、最後のたった一ヶ月で今度は娘への贖罪を償うことが出来たのか?

加納朋子【少年少女秘密基地】

少年二人と少女二人とは、たった一歳しか違わない。
幼い頃の彼らは、もっと年齢差があるような書き方だった。

結局、小屋に出入りしていた(と少年たちが思っていた)「悪者」は存在したのか?

篠田真由美【心残り】

建築探偵桜井シリーズを読んでいた頃から、ずいぶん経った。
今回はかなり陰気な話で、桜井シリーズのような面白みはなかった。

いずれもごく短いものなのでスイスイ読めたが、今ひとつの感あり。

以前読んだ「捨てる」がテーマの本と同じく「アミの会(仮)」のアンソロジーもの三冊目。

 

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