2024.12.02

中山七里【能面検事の死闘】

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中山七里/著
出版社名 光文社
出版年月 2023年5月
ISBNコード 978-4-334-91532-2
(4-334-91532-9)
税込価格 1,760円

南海電鉄岸和田駅にて、無差別殺人事件が発生。
大人気検察ミステリー待望の第3弾!

 

このシリーズは大阪が舞台で知っている土地の話題も多く、それ自体は楽しみである。

しかし今回は無差別殺人事件がテーマで、何とも辛い話になった。

その事件の被疑者はロスジェネ世代を代表して犯行に及んだと公言しており、彼を擁護するSNSでの投稿も多い。
ロスト・ルサンチマンを名乗る人物もその一人で、地検に爆発物を郵送して6名もの重軽傷者が出た。

のみならず関係者の宿舎まで狙われ、不破検事が爆発に巻き込まれてしまう。
意識不明の重体が続いた後、目覚めるとすぐ職場に復帰(当然医師には止められている)。少しでも資料を集めないとと焦るように関係者からのデータを集める不破。

報告で挙がってきただけでは充分でないという不破は、ある可能性を考えていた。

事務官の美春はかなり成長したが、それでもまだまだ学習しないなといらだつ。

被疑者をロスト・ルサンチマンに奪われるという失態を演じた府警だったが、その被疑者が殺されて発見。
現場が「勝尾寺」近くであるというのも、何かの因縁か?

最終場面、不破の普段は決して見せない表情を美春が見る場面があるが、シリーズも終わりなのだろうか?
もっと続いてほしい。

 

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2024.12.01

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4451
ナイス数:1360

中野のお父さんは謎を解くか (文春文庫 き 17-13)中野のお父さんは謎を解くか (文春文庫 き 17-13)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-02fb90.html
表紙絵が益田ミリというのも、ポイントが高いです。あの、なんとも言えないとぼけた味が、本文とよくマッチしていると思います。
読了日:11月30日 著者:北村 薫


大人のおしゃれ手帖特別編集 暮らしも仕事もうまくいく手帳&ノート術 (TJ MOOK)大人のおしゃれ手帖特別編集 暮らしも仕事もうまくいく手帳&ノート術 (TJ MOOK)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-c73083.html
表紙にもある波田美智子さんの手帳とノートが、ちょっと変わっていて面白かったです。
読了日:11月28日


あさ酒 (単行本文芸フィクション)あさ酒 (単行本文芸フィクション)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-4b4531.html
【第三酒 南池袋 ハンバーグ】で、このお店のハンバーグもいいのですが、それよりも仕事の依頼にビックリしました。
読了日:11月26日 著者:原田 ひ香


アンドクター 聖海病院患者相談室 (角川文庫)アンドクター 聖海病院患者相談室 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-12c61b.html
患者の苦情と研修医凪沙の気持ちがかみ合わない場面も多く、あまり入り込めませんでした。
読了日:11月24日 著者:藤ノ木 優


スピノザの診察室スピノザの診察室感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-7b185f.html
元は大学で将来を嘱望された医師だった哲朗の一日は、外来や病棟での仕事のみならず、週に何度かは往診にも出かけます。地域の人に信頼されたこういう病院こそ、本当に望まれているのではないでしょうか。
読了日:11月22日 著者:夏川 草介


忍ぶ川 (新潮文庫)忍ぶ川 (新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-46e4d7.html
主人公については、著者ご自身の家庭環境が投映されているようです。その「私」と対照的な、妻志乃の明るさに救われる思いがします。
読了日:11月21日 著者:三浦 哲郎


中野のお父さん (文春文庫 き 17-10)中野のお父さん (文春文庫 き 17-10)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-8ad5de.html
大手出版社に勤める美希が、職場や関係者からもたらされたちょっとした謎を、実家の「中野のお父さん」に解いて貰うという連作短編集です。
冒頭の【夢の風車】が好きです。
読了日:11月20日 著者:北村 薫


さくらい動物病院の不思議な獣医さん (双葉文庫)さくらい動物病院の不思議な獣医さん (双葉文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-203090.html
短編が六つですが、どれも同じような展開で、ことさら感動的でもありませんでした。動物たちはいずれもかわいかったです。
読了日:11月18日 著者:竹村 優希


あしたの名医2:天才医師の帰還 (新潮文庫 ふ 61-2)あしたの名医2:天才医師の帰還 (新潮文庫 ふ 61-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-1379b0.html
伊豆のおいしい食べ物をからませた、過酷なお仕事小説。
今回は冒頭から、そのおいしい食事で始まりました。
シーズンではない伊豆で、地元民だけが味わえる至福の時間。なんともため息の出そうな食事です。
読了日:11月16日 著者:藤ノ木 優


もっとミステリなふたり 誰が疑問符を付けたか? (幻冬舎文庫)もっとミステリなふたり 誰が疑問符を付けたか? (幻冬舎文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-779971.html
今回は少し趣向を変えたつもりか、新太郎が通うジムで起きた事件で捜査陣と出会います。景子は会議なので、臨場していません。
読了日:11月14日 著者:太田忠司


暮らしに役立つ かんたんマイノート&手帳術暮らしに役立つ かんたんマイノート&手帳術感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-5c82ed.html
自分のように素っ気ない手帳づかいには、少々方向違いでしたが、見ているだけで楽しくなる本でした。マステはもっと活用しようかな。
読了日:11月10日 著者:mizutama


あしたの名医―伊豆中周産期センター―(新潮文庫)あしたの名医―伊豆中周産期センター―(新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-ed851e.html
何だかチャラい表紙絵とは違って、いたって深刻な周産期センターが舞台の物語です。
「ここは戦場ですよ。でも飯はうまいっすよ」と登場人物に言わせているように、短編一つずつに一つの物語とおいしい食べ物の話がついています。
何年も前に行った伊豆へ、行きたくなります。
読了日:11月08日 著者:藤ノ木優


母親からの小包はなぜこんなにダサいのか (中公文庫 は 74-2)母親からの小包はなぜこんなにダサいのか (中公文庫 は 74-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-3d461a.html
色々な「母からの小包」というより、さまざまな家族の形を描いていて、多くは娘と母親との葛藤です。
読了日:11月06日 著者:原田 ひ香


ミステリなふたり (幻冬舎文庫 お 5-3)ミステリなふたり (幻冬舎文庫 お 5-3)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-e932b0.html
ちょっと変わった安楽椅子探偵もので、一つずつが短くてサラッと読めます。最後の【ミステリなふたり】で、この二人のなれそめが語られます。
読了日:11月04日 著者:太田 忠司


僕の殺人 (徳間文庫 お 25-9)僕の殺人 (徳間文庫 お 25-9)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-9bc9f0.html
著者のデビュー作。【名古屋駅西 喫茶ユトリロ】シリーズから一転(というか、こちらが先ですが)、タイトルからして怖い本です。
読了日:11月03日 著者:太田忠司


読書メーター

 

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2024.11.30

北村薫【中野のお父さんは謎を解くか】

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文春文庫 き17-13
北村薫/著 
出版社名 文藝春秋
出版年月 2021年11月
ISBNコード 978-4-16-791780-7
(4-16-791780-7)
税込価格 748円

中野のお父さん、入院!

運動神経抜群の編集者・田川美希の毎日は、
本や小説にまつわる謎に見舞われ忙しい。
松本清張の「封印」作品の真実、
太宰治作品中の意味不明な言葉、
泉鏡花はなぜ徳田秋声を殴ったのか…….
そんな時は実家に行き、高校教師にして
「本の名探偵」・お父さんの知恵を借りれば親孝行にもなる!? 
愛されシリーズ第二弾。

解説=薮田由梨

 

今回も面白かった。
前回書かなかったが、表紙絵が益田ミリというのも、ポイントが高い。
あの、なんとも言えないとぼけた味が、本文とよくマッチしている。

解説氏も書いておられたが、

主人公の編集者・田川美希とその父《中野のお父さん》の二世代によって繙かれる「本」の数々は、多かれ少なかれ読者の中の記憶を刺激し、何かしらとリンクする。

まさにその通りで、自分にとってはどちらかというと「お父さん」の読書歴の方がより近い。

しかし太宰治と松本清張が同年生まれだったのにはビックリした。

 

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2024.11.29

「にっぽんのいろ日めくり」が来た

Iro 

「にっぽんのいろ日めくり」が届いた。

2025年の元旦は「青藍」。
雪を頂いた富士山は、やはり日本一の山だ。

青藍、「藍より青く」「藍は青より出でて藍より青し」。
藍染めによるの中でも 鮮やかな紫みのある 暗い青色  と説明書きにはある。
すがすがしい色だ。

 

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2024.11.28

【暮らしも仕事もうまくいく手帳&ノート術】

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TJ MOOK
出版社名 宝島社
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-299-06095-2
(4-299-06095-4)
税込価格 1,320円

「書く」魔法で時間を生み出し、人生を楽しむヒントがいっぱいの1冊です。

 

またもや、この手の本購入。
しかし、楽しかったので良しとしよう。

トップは、表紙にもある波田美智子さんの手帳とノート。


「あした日記」というのが斬新で面白かった。
これは「あした」の出来事を、過去形で書くというもの。「こうなればいいな」を「こういう風にうまくいった」と書き切ってしまう。
すると不思議なことに、その通りになるのだとか。
ポジティブでいいなぁ。

他にも色んな立場の人たちが使っている手帳やノートがあった。
定番(?)のほぼ日手帳は少ししかなかったが、それもまた本書のユニークなところかもしれない。
手帳で完結ではなく、ノートを併用している人が多いのが特徴だ。

その中で惹かれたのが、1年間が1枚になった「クリエイターズダイアリー」というもの。蛇腹形式で上部は日ごとに区切られているが、下部はフリーで日をまたげた予定などを書き込むのに便利そうだ。

さっそくポチったのは言うまでもない。

 

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2024.11.27

からくれない

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今年の「にっぽんのいろ日めくり」11月18日は、「からくれない」だった。
漢字では「韓紅」と書く。

説明は『舶来の意味と  真紅の美しさが強調された  濃く染められた赤色」とあった。

ちはやぶる かみよもきかず
たったがわ
からくれないに みずくくるとは

で、仮名書きではお馴染みだが、漢字で書いたらまさにその通り、「韓・唐」の紅だ。「唐紅」とも書く。

 

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2024.11.26

原田ひ香【あさ酒】

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原田ひ香/著 
出版社名 祥伝社
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-396-63670-8
(4-396-63670-9)
税込価格 1,760円

あたらしい朝に乾杯! 26歳で、派遣社員で、婚約破棄されて……。 失意の恵麻に希望の手を差し伸べたのは祥子だった。 

 

【ランチ酒】の続編だが、今度は見守り明けが朝なので【あさ酒】というわけだろう。

 

【第三酒 南池袋 ハンバーグ】がすごかった。

このお店のハンバーグもいいのだが、それよりは仕事の依頼にビックリした。

「パチンコ依存症」の女性が、見守り対象。
その対象者は、夫から100日の期限付で「パチンコ店に行かなかったら家に帰ってもいい」と言われて、強制的に別居させられている。
夫の両親が上京してきて、娘の世話をしてくれているという設定。
朝になるとどうしてもパチンコに行きたくなり、パートの時間の11時になる前、10までが見守りの時間だ。

「パチンコ依存症」の人のことは、つれあいの知り合いにいたので多少その暮らしぶりは知っていたが、本当におそろしい。
開店前の店の前で行列している人たちを見かけたこともあるが(そしてそんな場合は反対側の道を歩くが)、何人かは依存症なのだろう。

この一篇だけで、本書はおなかいっぱいになった。

 

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【ランチ酒】(22.03.22)

 

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2024.11.25

にっぽんのいろ日めくり

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今年も(来年用の)「にっぽんのいろ日めくり」カレンダーを頼んだ。

今年一年、毎日の色に非常に心癒された。

Twitterによると、毎年違う色のものもあれば、同じ色のもあるらしい。
同じ色でも、写真が違うのだとか。

着くのが楽しみだ。

 

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2024.11.24

藤ノ木優【アンドクター】

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角川文庫 ふ44-1
藤ノ木優/〔著〕 
出版社名 KADOKAWA
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-04-112922-7
(4-04-112922-2)
税込価格 792円

新米医師×医者嫌いの非医師の成長を描く感動の医療ドラマ!

 

「アンドクター」と呼ばれる患者相談員の神宮司と研修医凪沙が、さまざまな患者の苦情に対処する話。

凪沙は患者に寄り添う医者になりたいという理想を持っているが、現実は厳しい。

採血は左腕でという思い込みから生じた結果が、最後まで尾を引く。

苦情を言う患者というのが、実際にありそうで怖い。

指導医からは患者相談員とは関わりをもつなと諭されたり、自分が思っていたのとは違う現場に戸惑うばかり。

一方の神宮司はなぜか医者嫌いで、凪沙に投げる言葉も辛辣だ。

こういう相談員というのは、実際の病院にもいるのだろうか?

患者の苦情と凪沙の気持ちがかみ合わない場面も多く、あまり入り込めなかった。

 

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2024.11.23

紅葉狩り??

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先日、恒例(?)の紅葉狩りに行ってきた。

昨年は斑鳩だったが、今年は3年前・一昨年と同じ勝尾寺へ。

実は本堂当たりから当地が見えるという情報があったのも、ここを選んだ理由の一つ。

しかし今年はいつまでも暑かったせいか、色づきは今ひとつだった。

 

ここは関西ではかなり有名なところらしく、土日は駐車場を予約する必要があるとか。20241121-130537

 

 

 

 

 

で肝心の「当地が見える」かどうか(自分は上までは行ってない)は、微妙だったようだ。
→ は息子が撮ったもの

 

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