◆森博嗣【すべてがFになる】
再読は、筋を追わなくていいから かなり客観的に楽しめる。
前述した、萌絵の儀同世津子への感情にしても、ニヤニヤしながら眺めていられるのである。
2年前よりは若干PCのスキルも上がっているかと思っているのだが、ゆとりを持って読んでいるためもあって コンピュータ関係の記述が特に面白かった。
キーワードである[F]にしても **以下、コンピュータの知識のある人へはネタバレ**
16進数との関連で言えば、多少のこじつけはあっても納得できる。
真賀田四季の(姿形なども含めた)「人格」の描写については、若干物足りない。
萌絵は、両親を飛行機事故で無くしたあと、1年間の引きこもりを経て別人のようになった。早い時期に感情のすべてをぶちまけ 自分をさらけ出すことにより、あるいは回復が早くなったのだろうか。
[私、ずっと、そのことを忘れていました]という萌絵に対しての犀川のセリフ「そうやって、話せるようになるまで、忘れているんだよ、人間って……」
[思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」
さて、犀川の持ち物で興味深いものがあった。
アナログの時計だ。これは森氏もそうなのだろうか。勿論[浮遊工作 室 ]をよく読めば解ることだろうが、このシリーズを通して 日経パソコンの[森博嗣のToolbox]との関連性を見つけるのも楽しみになった。
萌絵がエンジン音が好きだというのは このあと再々出てくるが、ここでは二人で車に乗る場面は一度しかない。
二年前、これを読んでいた頃は、本当に楽しかった!
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