◆森博嗣「詩的私的ジャック」
本格派?らしさを堪能出来た一冊。「詩的私的ジャック」
出版:講談社
サイズ:文庫 / 472pb
ISBN:4-06-264706-0
発行年月:1999.11
那古野市の大学施設での女子大生連続殺人。
すべて密室内で、しかも被害者の肌には意味不明の傷痕が。
捜査線上に上がったのは一人の男子学生。
彼の作る歌詞と事件との奇妙な類似。女子大生・萌絵が謎に挑戦。
しかし、実際にはトリックや動機・方法といったことよりも今回は魅力ある女性が登場する。
既に第1冊目から少し変わったキャラとして描かれている 国枝桃子。この人は実に魅力的だ。
彼女より若く行動的であるはずの萌絵よりも、一歩先を行っている。
解説で同じところに触れられていることに苦笑しつつも、以下少し引用してみる。
「じゃあ、中国まで行ったら」 「え?」萌絵は国枝が冗談を言ったと思った。(中略) 「私なら、行くよ」
かっこいいねぇ、このセリフ。
それから、これまた解説者と同じところからの引用。
「彼女のこの意志は、どこへ消えたのだろう……。」
ただし ここは、感じ方としては少しく違う。この箇所を読んだとき 最近特に自分の中に頻繁に浮かんでくるフレーズだったので、非常に敏感に反応してしまったのだった。
そう、亡くなったものの意志はあるいは思いはどこへ消えてしまうのだろう。消えざるをえないのか。なぜ消えてしまわねばならないのだ。
残されたものは どうすればいいのか!
森博嗣。「詩的私的ジャック」
2000年8月30日第3刷発行
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