若竹七海「プレゼント」
若竹七海「プレゼント」読了。
出版:中央公論社
サイズ:文庫 / 314p
ISBN:4-12-203306-3
発行年月:1998.12
利用対象: 一般
フリーター葉村晶とコロンボ(あるいは古畑任三郎)ばりの小林警部補が表題作を含めて八篇の短編を交互に語っていくオムニバス仕立て。古畑任三郎ばりと書いたが、後半本当に自転車で現れた(苦笑)。
何処かで二人の接点があるのではという期待は最後に応えられる。
いずれも日常起こりうる悪意を扱っている。ありそうであり得ない話ばかりだが、話を聞かされて鬱になっていくという「ロバの穴」など妙にうそ寒くなってくる現実感がある。
注意深く読んでいれば仕掛けが見抜ける冒頭「海の底」は面白かった。
あとは上記「ロバの穴」以外は、似たような設定だとも言える。最後に解決されていない問題点が残っていたと思うが。
親本が無く文庫本だけでしかも解説無しなので、この人の他の作品についてはまったくわからない。しかも、注文していた「海神(ネプチューン)の晩餐」(講談社文庫) については品切れということで読めないことになった。
ちょっと軽めで、一気に読んでしまえる本だった。
若竹七海「プレゼント」
1998年2月18日 発行
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