お盆
先週末あたりからお盆休みに入っている方も多いのだろう。最近では行事というより夏期休暇という意味合いの方が強くなったような気がする。
子どもの頃祖父母の家では、この期間ばかりは農作業を休んでいた。祖母は仏具を丹念に磨いていた。いつも不思議だったのが、遺影がじっとこちらを見ていること。部屋の端から端まで歩いても、確かに目が追ってくる。それは懐かしいような少しばかり怖いような気がした。
母の兄弟は3人戦死していた。兄は自分が生まれた年に還ってきた。夏、母は大きなお腹を抱えながら、兄の墓が出来るのに立ち会ったという。この人は自分の父の友達でもあったが、自分は会っていない。
弟二人は自分をかわいがってくれていたというが、自分に記憶はない。伯父・叔父達のことは、母の思い出話の中でふくらみ、記憶として残っているのかもしれない。
息子達三人を喪った祖母は、しかしそうしたことは何も話さず黙々と仏具を磨いていた。内心どういう思いを抱えていたのか 当時の自分は知るすべもなかった。
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