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2004.08.14

エンジニア田中耕一さん

私たちが 知らない人を評価する時、基準とするのはそれを伝えた人・媒体だ。多くはマスコミに拠る。そこでの報道のされ方によって、違う評価をしてしまうこともままあるだろう。事件が報道されるたびに、私達は目にする・耳にすることを持ってそれが真実だと思いこんでしまわないだろうか。自分は司馬遼太郎氏著「坂の上の雲」の秋山真之に焦がれているが、もちろんこれはフィクションだ。

さて、今朝の朝日新聞beの「トップランナー」は 島津製作所質量分析研究所長 田中耕一さん。いわずとしれたノーベル賞受賞者だ。しかし受賞前は、社内で高く評価化されていたわけではない。
発見した技術を売れる形で示すことが出来ず、左遷に近い形で英国へ出向を命じられた時 発憤出来たのは自分を評価してくれる社外の専門家がいたからだという。その一人、故大阪大學松尾武清教授に勧められて英語で書いた論文によって、ノーベル化学賞選考委員会に業績を認められたのだ。

以下、新聞から引用

評価の多様性にも気づきました。家族をはじめ親類や友人、近所の人々、上司、同僚、部下、顧客、学会の仲間ら周囲にいる人がすべて自分を「ダメだ」と批判することはない。1人くらい「いいよ」と評価してくれるものです。私自身は、できるだけゆるぎない評価軸を持とう、と心がけるようになりました。

この言葉には重みがある。人を正しく理解し評価出来るようになりたいと自身も思う。

受賞後、講演を始め、記念撮影やサイン会など 多くの依頼が舞い込んだ。自分の意見が役立つかもしれない委員会など以外はすべて、「受賞しなくても頼まれたか」と自問自答し、受諾を判断したという。

最後に田中さんの言葉を引用

受賞して一番良かったのは自分に自信を持てるようになったことです。その自信が、さらに頑張る原動力となっています。

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