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2004.08.18

歌野晶午【葉桜の季節に君を想うということ】

とうとう3時までかかって読んでしまった。意外性はなかった。しかしタイトルに相応しくない内容だと思ったのがいい意味で裏切られたのは、騙されたというべきか。

 

葉桜の季節に君を想うということ(Honkaku mystery masters)
歌野晶午著
出版社 文芸春秋
発売日 2003.03
価格  ¥ 1,950(¥ 1,857)
ISBN  a4163217207

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ひょんなことから霊感商法事件に巻き込まれた「何でもやってやろう屋」探偵・成瀬将虎。恋愛あり、活劇ありの物語の行方は? そして炸裂する本格魂! 歌野晶午スペシャル・インタビューなども収録。

 

途中までは何としても乗れなかった。以下、Manaさんの「『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午」より引用

しかし、終盤までたどり着くまでがつらかったですね。軽快なテンポで読みやすいのですが、ストーリーに乗れなくって。冒頭からかなり引いちゃったし。最後に大どんでん返しがあると聞いていたので、頑張って読みました。

 

全くこの状態だった。歌野晶午という方の他の本など読みたくない気分にもなった。
あげく、Tompeiさんは何故ブログのタイトルをここから取られたのだろうと疑問に思ったほどだ。

 

いつも思うことだが、性描写に必然性があるのかと 疑問を抱く。しかし読み終わってみると、それも何故か微笑ましいというか、たしかにここではある意味必然性があったのだなとうなずけるが、冒頭からあれでは声を出して読むのは辛いなぁ。
また、覚醒剤紛失事件など すぐに見当がつくし、探偵の「聞き込み」も芸がなさ過ぎる。

 

ま それにしても (以下ネタバレ:マウスでなぞると字が出てきます)


元気なおじいちゃまだこと。 さくらさん あなたは 姥桜と いったほうがいいかもしれませんね、いえその通りだけど。 二人に幸せになってほしいです。

ここまで

 

唐突に、野上弥生子と田辺元を思い出す。
彼女の言葉『いかに見栄えのしない草でも春とともに花になるように、人は恋することによってそれ自身に花咲かせる。』は含蓄に富んでいるが、
「お若い方よ、恋愛は若いひとのものだけではない」(要旨)という言葉は けだし名言だ。
田辺元・野上弥生子往復書簡」を読み直したくなった。

 

以下ネタバレ


若い人たちは、「老いらくの恋」というものに対して どうお感じになっているのだろうか。

ここまで

 

『桜』という樹は、やはり日本のシンボルだと言えるだろう。

 

恋以外のテーマは、やはり重い。あれこれと、実際の事件が思い起こされる。

 

同日追記
時系列を使ったトリックというのは比較的多いのとそれらしい記述も多かったこと・住まいに対する記述を覚えていればある程度予測出来たこともあるとして、もう一つ「裏切られ感・騙され感」については世代のギャップもあるのではと、別記事を書くことにした。

 

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ
2004年7月5日第14刷

 

以下のところに トラックバックさせて頂きました。有り難うございました。
Manaのありふれた日常生活 読書日和 読書記録と日々雑感

 

関連記事
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」(2004.06.20)
「葉桜の季節に君を想うということ」(2004.08.13)
歌野晶午【女王様と私】 (09.12.28)

 

 

追記
9月2日:BIBLIOマガさんの「葉桜の季節に君を想うということ」にトラックバック
2005年8月9日:yeastcakeさんの葉桜の季節に君を想うということ歌野晶午文藝春秋社にトラックバック

 

 

 

 

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コメント

 そうなんですよ! 私も途中で何度も投げ出しそうになりました(^^;)。「この続き、別に知らなくてもいい」って感じ。このミス1位だったり、いろいろなところで話題になっていたりしなければ、最後まで読まなかったと思います。そのあたりがこの小説のマイナスポイントかも?

 偶然、この本と前後して、『閑のある生き方』(中野孝次)を読んだのですが、正反対の老人像が書かれていて興味深かったです。

投稿: Tompei | 2004.08.18 15:35

Tompeiさん、こんばんは。

やはりそうでしたか。
もう少し字数をかけずに引っ張っていってくれたら、疲労度も違ったかもしれませんね。

中野孝次氏の考え方には惹かれますね。

『閑のある生き方』、読んでみよう。


投稿: | 2004.08.18 20:04

トラックバックありがとうございました。
私は特にストレスを感じず読めました。
やはり「騙されてこそ」でしょうか?
「葉桜」の主人公のようにいつまでも元気にいられたらいいなと思います。せめて気持ちだけでも。

投稿: CHAKI | 2004.08.21 12:30

涼さん、こんにちは!

私の場合、久しぶりに頑張って読んだ本、という意味で印象に残った1冊です。
読書って、頑張って読むものなのか?とさえ思いながら読みました(笑)。
どの点が評価されて「このミス1位」になったのか、というのが正直なところです。
確かにトリックは大掛かりで、オチにはビックリするんですけどね~。
きっと、再読することは無いでしょう(笑)。
読んだ者同士なら、いろいろな点で話のネタにはなるので、その意味では読んだ価値はあったのかなぁ、と思いましたけどね。

投稿: Mana | 2004.08.21 15:17

はじめてトラックバックをしてみたブログ初心者です。わざわざのコメントありがとうございます。
初めてで、うまく行かなかったから何度もやり直しで、ご迷惑かけていたらスミマセン。

面白そうな本をいつも探しているので、今後も参考にさせて頂きます。

投稿: yeastcake | 2005.08.09 21:53

yeastcakeさん、コメントをありがとうございます。

丁度1年ほど前に書いた記事が、また日の目を見た思いです。
ここへのコメントで書いていらっしゃる方があるように、読んだもの同士で話し合うのには面白い本かもしれませんね。

これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。

それから、余計なことですが「文芸春秋社」ではなくて「文芸春秋」です。出版者は結構名称に煩いですよ。

投稿: | 2005.08.09 22:48

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 「古本屋の女房」と一緒に、図書館の”新しく入った本”の棚で見つけて、手にとりました。てっきり短編集だと思っていたら徹也さんというかたのブログ徹夜さんのブログでどんでん返しのミステリーだと言う事を知りびっくり。どんなどんでん返しかなぁと思いながら読んで、終わりに近づいて”え!、話がなんかおかしいやん・・・。え、あーこういうことやったんか”と最後には感心しました。これって本じゃないとできない... [続きを読む]

受信: 2005.08.09 07:08

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