◆篠田真由美「未明の家」
未明の家 | |
篠田真由美〔著〕 出版:講談社(講談社文庫) 発売日 2000.01 定価 \730 (本体: \695) ISBN 4-06-263827-4 bk1で詳しく見る |
閉ざされたパティオを持つ黎明社の主、遊馬歴の不可解な死。やがて一族を連続殺人が襲う。「黒死館」、雷鳴と月、ゴヤなどの断片が合わさった時現れるものは?
建築探偵・桜井京介シリーズの第1作目。
この人物描写がなんともコミック的なのだ。この人の最初の2冊は宝塚的雰囲気を持っているが、この探偵はまさに男役が扮した方がぴたりときそうだ。但し、それは容貌に関して、こと建築に関しては一家言持っている。
このシリーズの魅力は何といっても蒼。まだ素性は明かでないが、ここに出てくる大人達に保護されている(保護せずにいられない)少年だ。この少年の秘密は「現在の罪」まで待たねばならず、これを徹也は未読のまま逝った。
もう一つ、「過去に事件を解決した探偵」という言葉・学園を経営している一家などからちょっと誤解していた部分がある。綾辻行人氏の囁きシリーズに出てくる学園と読みながら一時混同していた。
表紙に描かれたパティオは、本文とは違い 周りを囲む部屋から出入り出来る非常に開放的な伸びやかな空間だ。
この中で修善寺温泉が出てくる。川に湧き出る温泉で思い出した。徹也がまだ4歳くらいの頃伊豆に遊んだ。花登筐氏が原稿を書いたという部屋に二泊もした贅沢旅行だったが、この時その川の中の温泉に徹也は臆することなく入ったのだった。
篠田真由美「未明の家」
2002年5月30日第10刷
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