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2004.09.11

川上弘美【センセイの鞄】

センセイの鞄(文春文庫)
川上弘美著
出版社 文芸春秋
発売日 2004.09.02
価格  ¥ 560(¥ 533)
ISBN  4167631032

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鞄の中には何がある? 「センセイ」は私の高校時代の古文の先生。10数年ぶりに再会したセンセイとわたしが、過ごした、あわあわと、そして色濃く流れゆく日々。長篇恋愛小説。

chiiko さんが紹介しておられた同じ著者の【パレード】を読むには本書から入った方が良かろうという単純な理由で読み始めた。
しかし、一期一会というか、人との繋がりを本当に大切にしたいと思える本だ。
その相手が、師であれ恋人であれ、つれあいであれ はたまた息子・娘であれ。

物語は月子さんという、30代後半の女性の目を通して語られる。夏の終わりぐらいから始まった物語は、深まった秋を過ぎて正月を迎え、花見を楽しみ夏を過ごし、秋で終わっている。しかし、1年かというとそうではない。最後に解るように、5年ほどの年月を、行きつ戻りつ 物語は進んでいく。
年代はいつ頃だろう。そういうことを超越したような、不思議な書き方だ。

やはり解説者も同じところで惹かれたか。P.268より

センセイと過ごした日々は、あわあわと、そして色濃く、流れた。
センセイと再会してから、二年。センセイ言うところの「正式なおつきあい」を始めてからは、三年。それだけの時間を、共に過ごした。
あのころから、まだ少ししかたっていないのに。

人が思いを抱き、長い時間想いを共有するようでいて、あっという間のことなのかもしれない。

川上弘美【先生の鞄
2004年9月10日第1刷
元サイト更新

chiikoさんの【センセイの鞄】に、トラックバックをつけさせて頂きました。

9月21日追記:forfuturamaさんの『センセイの鞄』にトラックバック
10月16日追記:葉桜日記Tompeiさんの「『センセイの鞄』(川上弘美)」にトラックバック

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コメント

こんばんは。
一冊の本を通してこのようにつながることができるのはほんとうに幸せなことです。
私にとってはかなりずしりときた小説で、今もセンセイとツキコさんのことを考えています。
二人はお互いをいつ好きになったのかなとか。
私は『パレード』を読み、『溺レる』を読み、川上さんの世界にぐんぐん引かれてます。
私もTBをつけさせていただきます。
どうもありがとう。ではまた。

投稿: chiiko | 2004.09.11 19:39

chiikoさん、こんにちは。

「溺レる」も、二人の話なのですか。
「パレード」は、独立した話として読みたいような気がしています。

∥一冊の本を通してこのようにつながることができるのはほんとうに幸せなことです。

同感です。トラックバック有り難うございました。

投稿: | 2004.09.12 12:03

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» 『センセイの鞄』 [chiiko通信]
川上弘美さんの『センセイの鞄』を読みました。 図書館に行ったら「人気本到着」とい [続きを読む]

受信: 2004.09.11 19:41

» 『センセイの鞄』(川上弘美) [葉桜日記]
 前から読みたいと思っていた小説ですが、涼さんのブログでこの作品に関する記事を読 [続きを読む]

受信: 2004.10.16 14:40

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