◆篠田真由美【原罪の庭】
原罪の庭(講談社文庫) | |
![]() | 篠田真由美〔著〕 出版社 講談社 発売日 2003.10 価格 ¥ 770(¥ 733) ISBN 4062738635 bk1で詳しく見る ![]() |
外から施錠された温室の中に、切り刻まれた血みどろの死体が三つと、ことばをなくした子供が一人。残虐な事件の謎に建築探偵・桜井京介が挑む。
建築探偵桜井京介シリーズの中でも重要なキャラ 【蒼】。 シリーズ第1期最後のこの本で、蒼のことが始めて語られる。そしてそれは、京介と蒼の別れを予感させる結末となった。
蒼は(もしかしたら京介も?)、宮部みゆき「魔術はささやく」の守君、同じく「パーフェクトブルー」の進也・克彦兄弟と列んで好きなキャラだ。
蒼の現在を知っているから、平静に読めたこの作品。しかし意外に犯人は予想がつくし、周りの人物についてもその役回りの見当がつく。
以下、ネタバレ
→香澄と杏樹の入れ替わりももしかしたらと思っていたことが、荒木刑事の調査が「渡された時点でやはりと納得できてしまう。
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本書はまた、幼児のうけたトラウマについて、また子を喪った母親の精神的なショック・親に対する子の絶望も主要なテーマになっている。
また京介のセリフから引用。
「でも、身勝手に一方的に思い込んで他人に期待して、相手がそれから外れたといって裏切られたと騒ぐような、甘ったれた真似だけはしたくないんです。そんな醜態を晒すくらいなら、傲慢だと非難される方がはるかにましです」
20歳の若造のセリフか?
神代教授と 京介自身のことなど、感じたことはまだまだあるが、またしても中途半端な感想で終わってしまった。
今日もマスコミは、子どもが受けた理不尽な死を報じている。本書の話と並行して、幼女連続殺人事件があった年だという。
篠田真由美【原罪の庭】
2003年10月15日第1刷発行。
ああ、これを買ったのは徹也ではなかった。
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