◆森博嗣【恋恋蓮歩の演習】
恋恋蓮歩の演習(講談社文庫) | |
![]() | 森博嗣〔著〕 出版社 講談社 発売日 2004.07 価格 ¥ 730(¥ 695) ISBN 4062748223 bk1で詳しく見る ![]() |
世界一周の豪華客船ヒミコ号。乗客の持ち込んだ自画像を盗み出す任務を帯びた怪盗は、制限時間が近づく中の航海を続ける。しかし、突然の銃声の後、男性客の消失事件が発生。楽しい旅行は意外な方向へ向かって…。
ミステリというより、「謎解き」と言っていいだろうか(同じ事じゃないかというツッコミは却下!)
解説を書いた星野知子には気の毒だが(何で彼女の解説なの?)、作者の手法はそろそろ解ってくる。このシリーズではもっとも面白かった。
但し、いくつかの伏線は割合感知しやすい。羽村怜人については、梨枝が保呂草に手紙を託すシーンで判るし、前提である「人が落ちる」については、ある意味定石通りだ。
林と森川君以外の全員が乗船してしまったという非現実的な展開はやや強引だと思うが、紅子と保呂草の何とも絶妙のコンビネーションが楽しい。
一番面白かったのが、片平の名古屋弁。森せんせいは、名古屋弁を使いなれるんかや?
「まわしをあんばようしてまわなかん」あたりになると、通訳無しで判る人はどれくらいいるかな?
奈良弁などもそうだが、こうした地方語も最近は若い人は使わなくなっているのではないか。
狂言回し的な紫子がちょっと可哀相。
これまであまり好きでなかった七夏を見直した。仕事人としてのシャッキリとした姿勢と林への女心。この人は部下のせいでなどとグチャグチャ言ったりしないだろうな。 以下、引用。
徹夜のせいか、それとも走り回ったこと、あるいは保呂草との格闘のためだったか、はっきり言って、立っているのが辛い、どこかに座りたいと思うほど疲労していた。しかし、彼女のプライドがそれを許さなかったのである。
柊さんの『「「恋恋蓮歩の演習」森博嗣著 読了』にトラックバックをつけさせて頂きました。
9月28日追記
以下、ネタバレ
→
羽村(消えた死体)は存在しないだろうというのは、まず想像がつく。
とすると、梨枝が保呂草に手紙を託すシーンは単に梨枝のアクションだろうか。ここでもしかしたらと思い、羽村の容貌等を思い返す。
この辺が、映像では出来ない楽しみ方なんだなぁ。
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森博嗣「恋恋蓮歩の演習」
2004年7月15日第 1刷発行
元サイト更新
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コメント
涼さんへ
トラックバックありがとうございました。
早速、こちらからも送らせてもらいました(笑)。
心置きなく「四季」シリーズに取り掛かるためにも、
残りのVシリーズの文庫化が待ち遠しいです。
森さんの新シリーズも始まったことですし…☆それでは。
投稿: 柊 | 2004.09.27 10:01
柊さん、
トラックバックとコメントを有り難うございました。
犀川&萌絵シリーズの再読が途中なので、戻ります。
投稿: 涼 | 2004.09.27 15:36