矢野竜彦【ナンバの身体論】
ナンバの身体論(光文社新書 156) | |
![]() | 矢野竜彦〔ほか〕著 出版社 光文社 発売日 2004.07 価格 ¥ 735(¥ 700) ISBN 4334032567 bk1で詳しく見る ![]() |
葉桜日記のTompeiさんの記事「ナンバ歩き」の中のコメントを読んで興味を持ったので購入。
ナンバとは、大阪の地名ではない (^^;) 読み方は、単独では平板アクセント、『ナンバ歩き」「ナンバ走り」となれば、中高アクセントだろう。(どうでもいいことだが気になる)
【ナンバ】の語源については諸説あるようで、上記地名とは無関係と書いたが、実は関係あるそうだ。
1.南蛮人説:南蛮人が大手を振って闊歩する姿から
2.骨接ぎ説:大阪の難波村にある有名な骨接ぎのところへ通う患者の姿から
3.滑車説:滑車やそれに絡ませた綱のことを「なんば」と呼ぶ方言があり、その綱を引く格好から
4.かんじき説:「かんじき」を履いて重々しそうに歩く姿から
著者達は、「ナンバ=難場」という解釈を取っておられる。「ナンバ=難場」的発想から、体の使い方を考えるというものである。
さて、ナンバ歩きは 江戸時代までの日本人の一般的な歩き方だったという。ただし、単に同じ側の手足が出るとか、手を振らないということは違うようだ。
現代では能・狂言・歌舞伎・舞踊など芸能的なものと相撲・柔道・空手・剣道など日本の伝統的武道・武術だという。それも、芸や技に昇華されて動きは変わってしまったという。
本書では、桐朋バスケットボール部の取り組み等も紹介しつつ、ナンバの効用、ナンバ歩き・ナンバ走りの練習法についても写真を多用して多くのページを割いている。
では何故日本人の歩き方がナンバ歩きから変わってきたのかというのも面白かった。げに教育とは、色々な意味で影響力大なのだなぁとあらためて実感する。
本書購入のきっかけになったTompeiさんの記事に、トラックバックをつけさせて頂きました。
矢野竜彦他著『ナンバの身体論』
2004年7月20日初版1刷発行
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コメント
トラックバックありがとうございます。
ちょうど私も、この本を読んでいるところです。ただし、図書館から借りて(^^ゞ。ナンバ走り(歩き)については、いろいろ興味がつきません。最近は、ナンバ歩きをするように心がけています。
投稿: Tompei | 2004.09.04 08:00
∥最近は、ナンバ歩きをするように心がけています。
うーん、我流では良くないだろうし なかなかむずかしいですね。
投稿: 涼 | 2004.09.04 17:20
こんばんは、ちょっと興味を持ってます。
桐朋バスケットはNHKの教育TV土曜日のお昼頃から
やる番組を見て知りました。
ボールを受けて投げるという動作を一つの流れとして動作する。
といった内容だった気がします。また、短距離の誰かもこれを取り入れてるとか聞いたことあります。末続選手だったかな〜。
投稿: face | 2004.09.04 18:59
あ、faceさん 手術跡は順調ですか?って、まだ1日しか経っていませんね。
陸上の末續選手が世界陸上で銅メダルを取った時に「ナンバ」という言葉を使われたそうです。
この本では、直接の関係があるかどうかわからないとされています。
投稿: 涼 | 2004.09.04 19:14