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2004.10.23

小原瑞穂【ぼく、このままでいい?】

ぼく、このままでいい?
小原瑞穂文
出版社 祥伝社
発売日 2001.12
価格  ¥ 1,000(¥ 952)
ISBN  4396611412

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ぼくは1歳になった。けど、まだ、ハイハイができない。2歳になっても「ママ・パパ」って言えない、ってことで病院まわりが始まったんだ。知的障害を持つ弟の真実を、温かく見守る姉が描く。

ターくんこと、「ぼく」の姉である著者が綴ったもの。言葉が充分喋れないために理解してもらえないこと・母や姉さえも何気ない言葉で傷つけてしまっていることなど。
袖ヶ浦ひかりの学園と出逢い、大人として仕事もするようになった「ぼく」の成長を描く。

著者は ターくんのことを、『お金も持たずに、何の知識もない国に突然行ったようなもの』だと言う。

ターくんがしてもいないことでぬれぎぬを着せられた時、母親がパニックになってターくんを殴ったことを、

ぼくは、この事件のことを今、愛情を込めて「セッカン」って呼んで、お母さんをからかってるんだ……。
といった記述や、学園の先生が退職したのに胸がキュッとなるのを
お母さんは、「生意気にも失恋したらしいのよ。ター君、本当に胸が痛いの?」って聞く。本当にいつまでも、ぼくを子ども扱いするんだから。
といったユーモラスな表現もあるが、筆者もお母さんも寝込むほど体調を崩したことがある。

この学園では、ラーメンも置いてあるという。たとえ体にいいとは言えなくても、食べたいときに食べたいものを食べる自由があってもいいのではないかということの象徴のようだ。

小原瑞穂文「ぼく、このままでいい?
平成14年1月30日第2刷発行

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