◆宮部みゆき【魔術はささやく】
魔術はささやく(新潮文庫) | |
宮部みゆき著 出版社 新潮社 発売日 1993.01 価格 ¥ 620(¥ 590) ISBN 4101369119 bk1で詳しく見る |
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人め、二人め、三人め、相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた3つの死。さらに魔の手は四人めに伸びて…。
何度目の再読だろう。最初に手に取ったのは、新潮文庫の100冊だったか?それが、宮部みゆきとの出逢いだった。それから殆どの著書を読んできたが、この本は自分の中で常にイチオシであり続けている。
主人公「守」の健気さに打たれ、いつも涙なくしては読めない。
孤独な守とじいちゃんとの会話。あの、教師に呼び出されあらぬ疑いをかけられての絶望感を抱いたとき。最後近く、大雪の日の出来事。
著者が描くのは「愛」家族の友人の恋人の「愛」だ。
いつも著者の作品には主人公以外にも魅力的な人物が登場するのだが、本編でもそうだ。守が身を寄せた浅野家の人々。岩本先生。あねご。バイト先の高野等々。
あらためて、著者の描く少年達に惹かれる。先日読んだ石田衣良氏の主人公とほぼ同じ年頃だが、宮部作品の方が、素直に感情移入できる。
この本は著者の初期のものだが、連載ではない書き下ろしだけに、冗舌にならずキリッと締まった一冊に仕上がっている。
久しぶりに、トラックバック野郎のお題「泣き笑い文庫」に投稿。
関連記事:◇「魔術はささやく」(04.07.21)
◆宮部みゆき「魔術はささやく」(04.06.12)
追記:2005年8月18日
◆宮部みゆき:Mybest3(05.08.18)関連で、1位としてトラックバック
宮部みゆき「魔術はささやく」
第2回日本推理サスペンス大賞受賞作。
平成9年4月25日第30刷
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 横山秀夫【影踏み】(2024.09.16)
- 森博嗣【お金の減らし方】(2024.09.14)
- 佐々木譲【警察庁から来た男】(2024.09.12)
- 波田圭介【滅私】(2024.09.08)
- 【ほぼ日手帳公式ガイドブック2025】(2024.09.02)
「本棚04」カテゴリの記事
- 鈴木るりか【14歳、明日の時間割】(2019.01.16)
- ◆江神二郎が帰ってくる!(2007.09.30)
- ◆森博嗣【地球儀のスライス】(2004.11.26)
- ◆篠田真由美【美貌の帳】(2004.11.21)
- 宮部みゆき:好きなキャラ(2004.11.10)
コメント
こんにちは。
「魔術はささやく」私もこれから読もうと思っている作品です。
宮部みゆき氏のものは読んだことが無いので、初挑戦です。
旦那さんがちょくちょく読む作家さんなので、「火車」とか
「レベル7」も家にあるので、読んでみようと思っています。
投稿: miking | 2004.11.09 12:29
mikingさん、こんにちは (^_^)
是非是非、一杯読んで下さい。お返事に代えて、中途半端で申し訳ないですが、新しい記事を書きました。
投稿: 涼 | 2004.11.09 14:48