永井路子【万葉恋歌】
万葉恋歌(光文社文庫) | |
![]() | 永井路子著 出版社 光文社 発売日 2004.01 価格 ¥ 500(¥ 476) ISBN 4334736181 bk1で詳しく見る |
恋-人生の中で一番美しい体験を「詩」という一番美しい形で歌いあげた「万葉」の恋歌は、現代に生きる愛の聖書。古代の若者たちに見る「愛の原型」を語り明かす。
気温が低いが、穏やかに明けた朝。
5月に一度紹介したものだが、今日読んでみたので、幾つか今度は好きなうたをご紹介したい。
君が行く 道の長手を繰りたたね 焼き亡ぼさむ天の火もがな(茅上娘子)あまりにも有名か。現在の遠距離恋愛と少し通じるかもしれないが、当時は勿論永遠の別れだろう。
難波人葦火たく屋の煤してあれど 己が妻こそ常めずらしき糟糠の妻をも手放しでのろけられるおおらかさ!こう歌われてみたいものだ。
防人に行くは誰が背と 問ふ人を見るが羨しさ物思ひせずこれも有名なうた。作者不詳とあるが、幾多の民の思いであったろう。
恋の歌ではないが、好きな歌。
わが勢子を大和へやると さ夜ふけて暁露に吾が立ちぬれし(大伯皇女)恋の勝者であった大津皇子が政争では破れる。密かに伊勢に住む姉大伯皇女に会いに行った後の、姉のうた。
万葉恋歌永井路子
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【本の雑誌 3月号】(2025.03.25)
- 江口恵子【普段使いの器は5つでじゅうぶん。】(2025.03.21)
- 堂場瞬一【英雄の悲鳴 ラストライン7】(2025.03.19)
- 篠田真由美【センティメンタル・ブルー】(2025.03.17)
- 【くらべて、けみして 校閲部の九重さん】(2025.03.13)
最近のコメント