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2005.01.02

山本藤枝【飛鳥はふぶき】

昨日永井路子の「万葉恋歌」を読んだことからふと思い出して、探し出してきた本。

もう検索には引っかからないし、絶版だと見える。

1日・2日とNHKBSで、また3日にはNHK総合テレビで放映されている、あるいは放映予定の「大化の改新」(3日は午後7時半から)

この本は、それより時代が下って白村江の戦いの頃から始まる。
有馬皇子と並んで悲劇の皇子として知られる大津皇子と姉君大伯皇女の話である。

姉弟は、大海人皇子(天武天皇)の子。母は中大兄皇子(天智天皇)の皇女・大田皇女である。同じ中大兄皇子の皇女で大海人の后となった顱野讃良皇女(持統天皇)の姉に当たる。

大化の改新後平安を得たと思われた時代も中には矛盾をいだいたまま、やがて中大兄と大海人の不仲から壬申の乱へと移っていき、姉弟はいやでも政争に巻き込まれる。
自分の生んだ子を大海人皇子の皇太子としたい顱野讃良皇女の陰謀によって、悲劇の最後をむかえるまでを描く。

幼くして母を亡くした姉弟は、しっかりとした愛に結ばれ、大伯皇女のうたは相聞歌のようである。

昨日も引用した、大津が身の危険を感じて伊勢の斎宮である大伯を訪ねて帰るときの大伯の歌

わが勢子を大和へやると
さ夜ふけて暁露に吾が立ちぬれし
また
二人行けど行き過ぎ難い秋山を
いかにか君が独り越ゆらむ

そして大津が処刑されて後、屍を二上山に移したときの歌

うつそみの人にあるわれや
明日よりは二上山を弟世とわが見む

これらは、万葉集の中でも特に好きな歌である。

著者の作品は、少年少女向きというジャンルに分類されているようだが、しっかりとした考証に基づき且つロマンに満ちた楽しめるものだ。
他にも読みたいもの発見!
しかし殆どが絶版であった (-_-;)

少女時代?、この本をお読みになった方はいらっしゃいませんか。

「飛鳥はふぶき」山本藤枝
昭和48年2月25日 発行


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コメント

こんにちは。
はじめまして。コメントありがとうございました。リンク登録させていただきます。万葉集ですか。昔から興味はあります。今はさっきまで百人一首を姪と甥と訓練しておりました。大会があるのです、下旬に。わたしは本のことしかないブログですがこれからもよろしくお願いします。

投稿: よし | 2005.01.02 15:01

よしさん、ようこそお越し下さいました。

こちらでも、登録させて頂きました。
これからも、よろしくお願い致します。

投稿: | 2005.01.02 21:07

『飛鳥はふぶき』、学校の図書館で借りて読みました。検索しても出てこないので幻の本かと思っていましたが、やはり実在したんですね。当時は飛鳥~奈良時代の話が好きで、額田王とか藤原南家の「中将姫」のモデルになった姫にどっぷりはまり(『あわれ、天平の少女』という少女小説があります)、果ては井上靖や折口信夫に傾倒し、結局大学は奈良に行きました。もちろん入学早々に二上山を訪れたのは言うまでもありません。しかも夕刻だったにも関わらず無理に山頂を目指したため、帰りは暗いわ寒いわでさんざんな目にあいました。若かりし頃の良き思い出です。

投稿: こまねこ | 2015.05.28 00:01

こまねこさん

コメントを、ありがとうございます。
今でも、この頃の話には、胸がときめきます。
これからも、よろしくお願いいたします。

投稿: | 2015.05.28 07:57

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