阿井渉介【Y列車の悲劇】
本体699円 18cm 258p
(講談社ノベルス )
分類:913.6 91007012
4-06-181542-3 / 1991.03
対象:般
上り寝台特急「はやぶさ」のA寝台車の個室で、女性の惨殺死体が発見され、残りの乗客全員は走行中の列車から消えた。不可解な事件が高名な脚本家のシナリオ通りに動いている事が判明した時、謎はさらに混迷の度を深める。
図書館で借りた本。画像は文庫版。ノベルズ版・文庫版共に、BK1では注文不可。
旅情ミステリーというと西村京太郎だが、著者も多くの鉄道ものを出している。
人情話の趣もあり、とりわけ残酷さが出てくるわけでもなく読みやすかった。
ただ、肝心の列車から乗客が消えるトリックは、おそらく少し鉄がかった人なら(別に鉄でなくても)割合すんなり解ってしまうのではないだろうか。また、シナリオの件についても、すぐに気付くと思う。
しかし、捜査主任の言動を通して、幾つかの伏線が張られており楽しめる。
事件が起こるのは「はやぶさ」だが、Y列車とは何かというのも、一つの鍵になる。
白雪姫と王子が、「(それぞれの仕事で)それこそ別々の道を走っていくけれど、行先ではいずれ必ず一緒になる。人生の目的は同じなのだから」ということで旅した鉄路が、Yの字になっているところ。これが、タイトルの所以だろう。
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