水上勉【「般若心経」を読む】
「般若心経」を読む
「色即是空、空即是色」--愚かさを見すえ、人間の真実に迫る
本体427円 15cm 203p (PHP文庫 )
水上氏が小僧時代に口伝えで学んだ経文。師匠の仰有るとおり、真似をして覚える。
その後寺の学校で、その漢字に出会うことになる。
正眼国師や一休禅師の説く心経に触れ、ご自身のややくだけた解釈を述べられる。
良かったのが、第三章、『一切は「空」である』。
『花一輪に大自然をとじこめる』
車椅子で過ごしておられる氏のお嬢さんが、写生遠足で足下の花を描かれたという話。動けないからじっとして足下の百合の花を描かれたのだ。
他の子供達は、森を駆け回って、山や川を描いた。
しかしお嬢さんは、足下の一輪の百合に大自然を持ち込んだと言われるのだ。
この経を誦してはみても、なかなか意味は取れず心穏やかになることはないが、やがて無の空の世界へと近づいていくことは出来るのだろうか。
実は、最近ものを見る目が変わってきたような気がするのである。
もう少し読み込んでいきたい本。
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