◆有栖川有栖【マジックミラー】
有栖川有栖〔著〕
出版社 講談社
発売日 1993.05
価格 ¥ 620(¥ 590)
ISBN 4061853902
再読。
市内に、41階建てのマンションが建った(いや、もう建っていると言うべきか)。
自宅からそちら方面へ向かうと(市内を、東からやや北向き西へ向かうことになる)、途中からそれが見え始める。それは工事中から、近づくに連れ「これで地震が来たら云々」という話題になっていた。
ところがある日、私鉄主要駅近くに行き、そこからそのマンション方面へ向かった。なんと、上層部(41j階まである部分)が二つあるのだった。
このあと、ネタバレバレ、未読の方はご注意。
双子の殺人犯、ツインタワー、そして双子の探偵。少々都合が良すぎると思うが、最終部分
柚木新一に関する俺の調査報告の内容次第では、三沢恵は彼と結婚しなかったかもしれん。そうしたら、空知雅也も三沢ユカリもこんなことには……
これが、一番どんでん返し的だった。
この作品は、著者がデビュー作「月光ゲーム」が出るより前に、講談社から依頼されて書かれたものだという。メイントリックは、学生時代に考えついていて、早く世に出したかったのだとか。
空知の「アリバイ講義」は面白かった。時刻表を使うというトリックは、外国作品にはあまりなく日本で発展させてきたものだとか。そりゃそうだろう、遅れるのが当たり前の時刻表ではトリックになり得ない。
時刻表を使うトリックで思い出すのは、やはり「点と線」だろう。
空知の講義には出てこなかったが、遠隔殺人では松本清張氏の本の間に嫌いな物をはさんで心臓ショック死させるというのがあったように記憶している。
当日追記
初期の作品だけあって、良い感じだ。
作家と編集者の関係も、好ましく書かれている。女性陣の描き方がやや弱い。
マジックミラー
1993年5月15日 第1刷発行
2001年3月30日 第23刷発行
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