S・J・ローザン【苦い祝宴】
| 苦い祝宴(創元推理文庫) | |
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S・J・ローザン著・直良和美訳 出版社 東京創元社 発売日 2004.1 価格 ¥ 1,050 ISBN 4488153062 bk1で詳しく見る |
ニューヨークのチャイナタウンを舞台に、私立探偵リディアとビルが交互に語るこのシリーズの第5作目。
3作目と4作目を飛ばしてしまったので、二人の関係がやや進展しているような感を受けるがその辺りはよくわからない。
今回はチャイナタウンでのリディア達中国系アメリカ人の暮らし方などにも触れられていて興味深い。アメリカの若者であるリディアは、同時に古い伝統を大事にする中国社会のしがらみにもうまく対応している。
年長者への敬意やそうした人たちとのつきあいをもどかしく思う面を持ちながらも大切にしている。
そのリディアが勘違いしていることがあった。父親はアメリカへ渡るのに、チャイナタウンの有力者の力を借りた。リディアはそれを、借金をしていたと思っていたのだ。そうではなく、渡航費を貯めてから渡ってきたのだと始めて知る。
「あれだけの業績を積み重ねて来たんだし、年長者なんだから、当然尊敬はしているさ。だけど、うちの人があの人にどんな借りがあるというの」
これがヒントになって、事件解決の糸口となる。
人物関係がかなり入り組んでいて判りにくい部分もあった。
ビルの生い立ちについては、まだ解らない。
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