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2005.05.26

伊坂幸太郎【ラッシュライフ】



ラッシュライフ
ラッシュライフ 伊坂幸太郎〔 著〕
出版 新潮社(新潮文庫)
発売日 2005.05
定価 本体629円
ISBN  4-10-125022-7
bk1で詳しく見る

 

歩き出したバラバラ死体、解体された神様、鉢合わせの泥棒-。無関係に思えた五つの物語が、最後の最後で一つの騙し絵に収斂する。これぞミステリー!

 

伊坂幸太郎は、現在かなり注目されている作家のようである。名前を知ったのもごく最近だが、それ以来何度か目に留まるようになった。

 

親本では表紙になっていたエッシャーの騙し絵が、口絵として描かれている。
物語全体が騙し絵のようなものだということだろう。

 

たった3日の間に起こった出来事を、錯綜させながら進めていく手法だが、前後関係も混乱することなく良くまとめられている。
仙台市を舞台に、まったく関係のない登場人物達がそれぞれリンクしていく展開に、多少強引なところもあるがそんなに無理を感じさせない。半分を過ぎるあたりから、何となく先が読めるのがちょっと惜しい気もするが。
最後は一種のハーピーエンドと言えるだろう。

 

この本を教えてくださったtakoさんが「思わず時系列で表を作りたくなる感じ」と書いていらっしゃったが、納得。いやぁ、今回ザーッと読んだのだし、もう一度確認しながら年表ならぬ日表?を作りますよ>こんなことして遊ぶ時間が出来たらいいな!

 

著者の他の作品も読んでみたい。作品同士が、りんくしているそうなのだ。
takoさんの伊坂幸太郎/ラッシュライフに、トラックバックさせていただきました。

 

9月1日追記:よしさんのラッシュライフ 伊坂幸太郎に、トラックバックさせていただきました。

 

06年6月7日追記:よしさんのラッシュライフに、再度トラックバックさせていただきました。

 

 

ラッシュライフ

 

 

 

 

 

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

私もこの作品から伊坂幸太郎に入りました。
全てのピースが嵌まる快感と、爽快な読み心地がいいですよね。
いちいち読み返さなくても伏線が分かるというのも、
上手いなと思います。

『陽気なギャングが地球を回す』『チルドレン』もよかったですが、
『ラッシュライフ』が私の中では今のところ一番です。

投稿: KOROPPY | 2005.05.26 20:14

こんばんは、

『チルドレン』 をアップしていらっしゃいますね。
それぞれの作品がどのようにリンクいているのか興味があります。
でも、最初に出会った作品が一番印象的かもしれませんね。

∥いちいち読み返さなくても伏線が分かるというのも、上手いなと思います。

確かにそうですね。今回みたいにとばし読みだと丁度いいのですが、もしかしたらちょっぴり物足りないと思うかもしれません。

投稿: | 2005.05.26 23:07

こんばんは。
TBありがとうございました。
やっと、更新しました。すいません、待っていただいて(笑)
確かに動物の描き方が上手いんです。犬がちゃんと生きた使われ方になっているんですよね。まさか、宝くじがあったとは(驚)。
TBさせていただきます。

投稿: よし | 2005.09.01 22:56

よしさん、お早うございます。

この宝くじも、重要な小道具でしたね。
他のものは、まだ読んでいないのです。

投稿: | 2005.09.02 11:04

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» ラッシュライフ 伊坂幸太郎 [*Happy Light*]
みなさん、ご無沙汰していました。更新していなくてすいません。 この8月は超忙しくて。おかげで読書も滞ってしまいました。 そんな中、やっと読んだのがこの本です。 文庫も出版されていますが、やはり親本を。それは表紙にもエッセンスが詰まった作品だからで...... [続きを読む]

受信: 2005.09.01 23:01

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