伊坂幸太郎【ラッシュライフ】
ラッシュライフ | |
伊坂幸太郎〔 著〕 出版 新潮社(新潮文庫) 発売日 2005.05 定価 本体629円 ISBN 4-10-125022-7 bk1で詳しく見る |
歩き出したバラバラ死体、解体された神様、鉢合わせの泥棒-。無関係に思えた五つの物語が、最後の最後で一つの騙し絵に収斂する。これぞミステリー!
伊坂幸太郎は、現在かなり注目されている作家のようである。名前を知ったのもごく最近だが、それ以来何度か目に留まるようになった。
親本では表紙になっていたエッシャーの騙し絵が、口絵として描かれている。
物語全体が騙し絵のようなものだということだろう。
たった3日の間に起こった出来事を、錯綜させながら進めていく手法だが、前後関係も混乱することなく良くまとめられている。
仙台市を舞台に、まったく関係のない登場人物達がそれぞれリンクしていく展開に、多少強引なところもあるがそんなに無理を感じさせない。半分を過ぎるあたりから、何となく先が読めるのがちょっと惜しい気もするが。
最後は一種のハーピーエンドと言えるだろう。
この本を教えてくださったtakoさんが「思わず時系列で表を作りたくなる感じ」と書いていらっしゃったが、納得。いやぁ、今回ザーッと読んだのだし、もう一度確認しながら年表ならぬ日表?を作りますよ>こんなことして遊ぶ時間が出来たらいいな!
著者の他の作品も読んでみたい。作品同士が、りんくしているそうなのだ。
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06年6月7日追記:よしさんのラッシュライフに、再度トラックバックさせていただきました。
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コメント
私もこの作品から伊坂幸太郎に入りました。
全てのピースが嵌まる快感と、爽快な読み心地がいいですよね。
いちいち読み返さなくても伏線が分かるというのも、
上手いなと思います。
『陽気なギャングが地球を回す』『チルドレン』もよかったですが、
『ラッシュライフ』が私の中では今のところ一番です。
投稿: KOROPPY | 2005.05.26 20:14
こんばんは、
『チルドレン』 をアップしていらっしゃいますね。
それぞれの作品がどのようにリンクいているのか興味があります。
でも、最初に出会った作品が一番印象的かもしれませんね。
∥いちいち読み返さなくても伏線が分かるというのも、上手いなと思います。
確かにそうですね。今回みたいにとばし読みだと丁度いいのですが、もしかしたらちょっぴり物足りないと思うかもしれません。
投稿: 涼 | 2005.05.26 23:07
こんばんは。
TBありがとうございました。
やっと、更新しました。すいません、待っていただいて(笑)
確かに動物の描き方が上手いんです。犬がちゃんと生きた使われ方になっているんですよね。まさか、宝くじがあったとは(驚)。
TBさせていただきます。
投稿: よし | 2005.09.01 22:56
よしさん、お早うございます。
この宝くじも、重要な小道具でしたね。
他のものは、まだ読んでいないのです。
投稿: 涼 | 2005.09.02 11:04