婦人週間
新聞から「婦人欄」という紙面が消えたのはいつ頃からだったろう。ふとこれを思い出したのは、今日知人(男性)から、「今日の『ひととき』を読まはりましたか?」と聞かれたからだ。『ひととき』というのは、朝日新聞の婦人欄に掲載される女性読者からの作文。読むのも女性が大半だったのではないか?
それが、紙面が婦人欄から家庭欄、そしていつのまにか「生活」欄へと変わている。曜日によって「子ども」「健康」などテーマ別に記事が並んでいる。(朝日新聞の場合)
今週のBe「サザエさんをさがして」は、家庭にしばられていた婦人だった。
「オンナへんにホウキ」とかく「婦」は、外で働くのが男、家で掃除するのは女という役割分担の固定化につながる。既婚者のイメージが強く、結婚して一人前という響きがある――。
掲載してあるサザエさんは、1コマ目で 波平がフネに、2コマ目ではマスオがサザエに着替えを手伝って貰いながら「婦人週間だからゆっくりしたら」と言う。3コマ目では波平は新聞を読みながら、マスオはタバコをくゆらしながら「のんびりおしよ」と言う。4コマ目はフネとサザエが台所で片付けものをしながら「といってくれてもけっきょくやんなきゃならないんじゃないの」とこぼしている。
サザエは優しい夫とともに自分の両親と同居している。結構好きなことをしているようだが、当時の専業主婦のイメージそのままと言えよう。
衆議院議員の野田聖子さんは首を横に振る。「サザエさんの時代を取り戻したいという願望は、今でも永田町と霞が関の大多数のおじさんたちの心の中に生きている」。
「ノスタルジーにとらわれていると、少子化・高齢化対策は遅れるばかり。サザエさんとは決別を」。野田さんは、今月出版した著書「だれが未来を奪うのか 少子化と闘う」(講談社)で「さようならサザエさん」宣言をした。
子どもが減ってきたと言われて久しい。結婚しない女性が増えている。しかし、新聞の紙面の呼び方は変わっても、男性の育児休暇が特別なことでなくなる日はまだまだかもしれない。
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