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2005.05.14

光吉夏弥【ちびくろ・さんぼ】

ちびくろ・さんぼ
ちびくろ・さんぼ ヘレン・バンナーマン〔文〕・フランク・ドビアス〔絵〕・光吉夏弥〔訳〕
出版 瑞雲舎
発売日 2000.4
定価  \1000+税
ISBN  4-488-41402-8
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かわいい男の子のさんぼが、ジャングルで出会った虎に命とひきかえに持ち物をとられて…。絶版になっていた岩波書店版を部分的に復刊したもの。

絶版の本も持っていたはずだが。絶版本と何となく違うような気がする。「部分的に復刊」とはどういう意味だろうか。岩波版では、もう一つお話しがついていたと思う。
絵も何となく違うような気がするが、気のせいだろうか?

子どもの本というのは、同じ言葉の繰り返しによるリズムが楽しい。本書の場合はお父さんとお母さんが用意してくれた服や靴をとらに取られてしまうので、さんぼにとっては楽しいはずがないが。
最後にホットケーキを食べるその数が、又子ども達をビックリさせるのだろう。
まだチビさんには読んでいない。

それより、ホットケーキを食べたくなった!

15日追記
「岩波書店昭和50年11月15日第26刷発行(320円)」の本を持っているという方から『私設コメント』を頂いた(個人メールのこと)
みんな大好きだった本。だから「どうして絶版なの?」という声が復刊に繋がったのだろう。

さんぼから服や靴を奪ったトラたちは、誰が一番立派だということでケンカを始める。その内服も靴も放り出して、それぞれのシッポに喰いついたまま木の周りを回りながら追っかけあう。サンボは律儀に

「もしいるんなら、そういっておくれよ。でなきゃ、ぼくがもってっちゃうよ」(原文分かち書き)
と言って、取り返す。
トラたちはその声を聞かばこそ、ぐるぐる回っている内に段々溶けてバターになってしまうのだ。この奇想天外さが、又子ども達に受けたのだろう。

それから、みんなでたべました。 おかあさんのまんぼは、そのおいしいほっとけーきを、二十と七つもたべました。 そして、おとうさんのじゃんぼは五十五もたべました。 けれどもちびくろ・さんぼは、なんと百六十九もたべました。とてもおなかがすいていたのでね。(原文分かち書き)

『……なんと【間】ひゃく【間】ろくじゅー【間】きゅーも【間】食べました』
息子達に読んでやった時の定番の読み方。
何度読んでも、ここで固唾をのんで『ひゃく【間】ろくじゅー【間】きゅーも【間】』を待っている。

食いしんぼ徹也の大好きだった本。

22日追記:朝日新聞書評欄「ベストセラー快読」
ちびくろ・さんぼ [著]ヘレン・バンナーマンへリンク

「ちびくろ・さんぼ」ヘレン・バンナーマン〔文〕。フランク・ドビアス〔絵〕。光吉夏弥〔訳〕
2005年4月15日発行

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

涼さん、こんばんは。
この本って確か『黒人差別だ』とか言われて絶版になったんですよね。

同じ理由でダッコちゃんもなくなりましたし、カルピスのマークも変わりましたよね。
どこが差別なの? って思いますが・・・

投稿: アリス | 2005.05.14 20:37

ありすさん、こんばんは。体調は如何ですか。

∥どこが差別なの? って思いますが・・・

そう感じる方が多かったから、今回復刊出来たのでしょうね。
一人一人の心の中に生じるものをなくしていくことが肝要なのではないかなと、こうした問題が起きる度に思っています。


投稿: | 2005.05.15 00:35

私の「ちびくろ・さんぼ」の本、大好きでした。
復刊されたんですね。
トラがくるくる回っているうちにバターになっちゃったんですよね、確か・・・(私の記憶では)
なんだか、私もホットケーキが食べたくなっちゃいました。(^ー^)

投稿: ぽっかぽか | 2005.05.15 06:07

ぽっかぽかさん、お早うございます。

∥復刊されたんですね。

はい、丁度一ヶ月前に発行されたばかりです。

∥トラがくるくる回っているうちにバターになっちゃったんですよね、

そうです、そうです。美味しいホットケーキをつくりたくなりますね。
記事に追記しました。


投稿: | 2005.05.15 09:02

はじめまして。へいぽーさん経由でお邪魔したら、大好きな「ちびくろ・さんぼ」が出ていたので思わずコメントを(^-^)
初めてこの本を手にしたのは、幼稚園の頃でした。
さんぼがかわいくて、溶けたバターが美味しそうで大好きだったのに、絶版になって残念でした。さんぼを見て、差別を連想する人の方が差別心があると怒ったりもしましたが。
なにはともあれ、さんぼが帰って来てくれて嬉しいです。

投稿: dan | 2005.05.15 15:23

danさん、はじめまして。コメントを有り難うございました。

たくさんの人たちに望まれていたのだなぁと、あらためて思います。

投稿: | 2005.05.15 16:40

涼さん、こんにちは。
BIBLIOマガ改めBIBLIO HACKSのkayo***です。

涼さんもこの本、好きだったんですね。
私も大好きでした。だからこそ絶版の
理由を聞かされたときは複雑な思いでした。

とらが溶けてバターになっちゃうなんて発想、
唯一無二でそれだけでも良書だと思います。
(トラバさせてくださいネ)

投稿: kayo** | 2005.05.26 12:41

kayo**さん、こんにちは。 ブログの復活、おめでとうございます。
今朝kayo** さんの記事を拝見して、「あ、ここにもさんぼファンがいらっしゃる」と嬉しくなっていました。トラバ有り難うございます。こちらからもトラバさせていただきます。
ただ、kayo** さんからのトラバが3つ来ていましたので、2つは削除させていただきますね。

投稿: | 2005.05.26 15:07

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