ケストナー【飛ぶ教室】
飛ぶ教室 | |
エーリッヒ・ケストナー〔著〕山口 四郎[訳] 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2003.12 定価 本体495円 ISBN 4-06-273945-3 bk1で詳しく見る |
先生が大好きな生徒、生徒を心から愛する先生。学校でまきおこるさまざまな事件をとおして、友情と正義と勇気の大切さを身にしみて教えてくれます。E=ケストナーが人生の真実を教える、血も涙もある、あたたかいお話。
ああ、まったく心が気持ちよくあたたかくなる本だ。
物語はある年のクリスマス前の数日の出来事。寮生活を送る今でいう高校生の少年達の友情とそれを温かく見守る大人の友情。少年達と大人との心温まる交流。
勇気のある人たちがかしこく、かしこい人たちが勇気をもったときにはじめて、人類の進歩というものが認められるようになるでしょう。
真の勇気とは、真の賢さとは何かを教えてくれる。
子どもの頃に知った[ふたりのロッテ」や「点子ちゃんとアントン」は、外国の物語について教えてくれた。それはワクワクするような気持ちにしてくれた。今回久しぶりにそうしたワクワク感を味わった。いい児童文学というのは、まさに大人が読んでこそ楽しめるものだ。
ベク先生の話は、心を温かな涙で濡らしてくれる。
だが、お母さんを入院させていたその少年は、自分が大きくなったら、少年時代、心から信頼できる先生がいなかったばかりに苦しんだ、自分の学校の舎監になろうと、そのとき決心したのだ。少年たちが、自分の心のなやみを、なんでもいえるような人になってやろうとね。
飛ぶ教室エーリッヒ・ケストナー
2003年12月15日第1刷発行
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