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2005.06.05

川津祐介【三回死んでわかったこと】

三回死んでわかったこと
三回死んでわかったこと 川津祐介〔著〕
出版 小学館(小学館文庫)
発売日 2005.06
定価 本体476円
ISBN  4-09-418631-X
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この本を知ったのは、先週の朝日新聞書評欄。
川津祐介氏と言えば、子どもの頃松竹の俳優として活躍しておられた。その後はテレビの「ザ・ガードマン」で毎週見ていた。宇津井健氏と共に好きな俳優の一人だ。しかし特に追っかけていたわけではなく、いつだったか「こんなにヤセていいかしら」という本を出しておられると知って「俳優さんが何故?」と、首を傾げていたものだ。

その間、何と言ったか共同村のようなところを訪れてそのやり方を褒めているインタビュー記事なども読んだことがある。

後年、テレビの「なっちゃんの応援歌」で山口智子と唐沢寿明の父親役を好演していた。

その著者は、10代での自殺を始めとして、3回ニアデスを経験したという。死を決意した夜の両親への最後の言葉は、もし自殺が成功していたとして、親が思い出すにはあまりに辛い言葉だったろう。

皇国少年として育った著者は、忠孝こそが人生の全てだった。その神が否定されたときから、無神論者になる。しかしたたき込まれた「親に歯向かわない」という生き方は、自身をしばり、そのくびきから逃れようとしたときに、正反対の今でいうアイドルとしての生き方をすることになる。

自分が知っているのは、この頃の俳優としての著者だ。

本書は、一旦は無神論者になった著者が、3度のニアデスを通じて神を信じるようになったことが書かれている。神と言っても特定の宗教ではなく「私達を生かしているもの」という捉え方だ。従って、宗教臭は一切なく『人智を越えたものへの畏れ』といっていいだろう。

最後に著者は、「歴史をリセットさせてはならない」と説く。


自分を許すことは簡単でも、他人を許し心穏やかになるにはあまりにも遠い自分である。静かな気持ちで晩年を迎えられるように、少しでもこうした境地に近づきたいものである。


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