ボランティアの限界
いわゆる音訳ボランティアを始めて20年以上になる。
この間色々な人たちと交流があったが、ボランティアをしている年数は意外と短いのだ。
というのは、この「読むということ」が思ったより難解な上に、特に関西人にとってはアクセントの問題も大きなウエイトを占める。
年数が経つと耳だけは肥えて、(自分のことは棚に上げて)他の人の読みの欠点もよく解るようになる。
自分たちがしたいのは、「良い録音図書を作ること」なので少しでもそれに近づいてほしいと苦言を呈することもある。しかし、「ボランティアなのにそこまで厳しく言わなくても」と思われているだろうなという気がすることが多い(なんとまぁ、回りくどい書き方よ)。
指摘するのは、難しい。
よく家族のことなどを出してやめてしまう人もいるが、それは単なるきっかけであって本当は自分の限界を知り、しかし認めたくない部分もあってそれを隠れ蓑にしていることが多いのだ。
計算ドリルと違って頑張ってすれば劇的に進歩するものではなく、しかし努力は薄い紙を重ねていくように身に付いているはずなのに、その見えない努力はなかなか続かない。
スキルを上げるということでは音楽などとも共通する部分があると思うが、これというコツを見つけるのは(指導者のヒントがあったとしても)やはり自分自身ではないのか?
ある時フッと、以前より変わったと感じる時が来る。キッと来る。それまでに挫折しないことだと思う。
標題で書き出したときには、もっと違う観点で書くつもりだった。整理できていない部分があって、違う方向へ行ってしまった。
指摘するのは、難しい。つくづく実感として感じた今日だった。その気持ちを書いておきたかったことも一つ。
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