西村京太郎「明日香・幻想の殺人」
明日香・幻想の殺人 | 西村 京太郎〔著〕 出版社 徳間書店 (Tokuma novels ) 発売日 2004.08 価格 本体 819円 ISBN 4-19-850601-9 bk1で詳しく見る |
資産家・小池恵之介が失踪した。古希を記念して出版した彼の自伝には、明日香への思いが書かれていた。一週間後、小池は高松塚古墳の傍らで絞殺死体となって発見された。十津川警部が古代史の謎に挑む!
中学1年の時の遠足が明日香だった。多分近鉄電車の岡寺駅からテクテクと歩いた。多武峰の淡山神社へも行った。
結婚してからは、よく訪れた。まだ高松塚古墳が見つかる前である。甘樫の丘に登り、大和三山を見るのも好きだった。
この本は、そうした明日香を好きな人たちの集まりが、極端になれば悲劇になるということを書いている。
しかし、その犯人のカリスマ性が今一つ表現不足だ。十津川警部の想像(思いこみ→直感とも言える)から相手を落としていくのだが、劇団に集まった人たちが殆ど登場しないのだ。もう少し周りからつめていく方が自然な気がする。
又、劇団が一種宗教団体のようになっているというのも、即納得はしにくい。
しかし、明日香の風景は美しい。この本の中でも、明日香の風景は日本の原風景だといった言葉が何度か出てくる。
涼しくなったら、ヒガンバナの咲く明日香を訪れてみよう。
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