西村京太郎「三年目の真実」
三年目の真実 | 西村 京太郎〔著〕 出版社 双葉社(双葉文庫) (2005.3) 発売日 2005.2 価格 \680 (本体 : \648) ISBN 4-575-50992-2 bk1で詳しく見る |
新聞に載った自殺者の名前は、殺人事件の裁判で検察側に有利な証言をした証人だった。弁護士の水野は過去の真実に迫っていく…。いま甦る、十津川警部を生んだ作家の幻の名作第2弾。
表題作をはじめとする短編集。
話の内容は、東京オリンピックの頃でかなり古い。それにしては初出も書いてないしちょっと不思議な作品群だなと思ったのだが、紹介にあるように、どうやら古い作品が日の目を見たということらしい。
数字を取り上げれば古くささは否めないが、どうだろう。世相的には今と似ていないか。と思っていたら、昨23日付の天声人語では「歴史は繰り返す」として、石原東京都知事の「東京オリンピック招致」の話が出ていた。
「三年目の真実」紹介のとおり
途中で犯人が判ってしまう。
「夜の脅迫者」
これも、妻を殺した真実が三年目に暴かれる。
以下、すべて三年目の真実かと思ったが、あとはそうではなかった。
「変身」
大金持ちとそっくりで間違えられているうちに、本気で入れ替わってみたいと願って陥落する男の話。
「アリバイ引受けます」
アリバイを確立するから殺人をという奇妙な提案に乗ってしまったが為に起きる悲劇。次々と高額な条件を出しつつ、全て次へのステップとして利用される。
「海の沈黙」
遭難した船は、保険金目当ての偽装されたものか。
あり得る話なのか、村を救うために最後に自殺する漁船の機関長の話。
「所得倍増計画」
誰しもが、今に倍する所得を得たいと思ったが為に起きた悲喜劇。
「裏切りの果て」
これは、結局黒幕の動機が今一つはっきりせずスッキリとした終わり方ではなかった。
「相銀貸金庫盗難事件」
仕組まれた盗難事件。大手銀行が相互銀行をつぶしていくプロセスで、後味はあまりよくない。
三年目の真実
2005年2月20日第1刷発行
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