東野圭吾【むかし僕が死んだ家】
むかし僕が死んだ家 | 東野 圭吾〔著〕 出版社 講談社(講談社文庫) (2005.3) 発売日 1997.5 価格 \560 (本体 : \532) ISBN 4-06-263507-0 bk1で詳しく見る |
「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」。古い家、日記…過去を解き明かす手がかりをもとに、恋人が失った記憶を取り戻すために“幻の家”を訪れた僕たちを恐るべき事実が待っていた。異色長編ミステリー。
就学前の記憶をなくし、娘への虐待をしてしまう沙也加。
彼女の依頼を受けた元恋人の「ぼく」が、彼女の父親が残した地図と鍵を手がかりに一緒に訪れた家は、ある日を境に時が止まってしまっていた。
ほとんどが、この奇妙な家を舞台にして話が進む。
過去の日記や手紙を通して張られた伏線がさりげなくて巧みだ。
しかし、チャーミーの正体については少し考えれば違う可能性にも行き着くわけで、この勘違いというのは少々強引だ。
タイトルがなぜ「むかし『僕』が死んだ家」なのか?その疑問が解けた時全ての謎が解けるが、それは沙也加にとってよかったことなのか?
初版が出たのが1994年だから、幼児虐待という社会現象が問題になりかけた頃だろうか。
親に愛されずに子ども時代を過ごして親になった沙也加が、自分の娘を愛せない。しかし、しっかりと幼少時代を見つめた彼女は、自分を確立して生きていこうとする。
一気に読んでしまった。東野作品は初めてだが、これからも読んでみたい作家。
この本の録音図書を、数年前他館から借りて最初の部分だけチェックしていたのを思い出した。
「むかし僕が死んだ家」東野 圭吾
1997年5月15日第1刷発行
2005年7月1月第32刷発行
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