松本清張【点と線】
松本 清張〔著〕
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行年月 2003.5
価格 \460 (本体 : \438)
ISBN 4-10-110918-4
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点と線 |
松本清張の本が又店頭に並びだしたような気がする。この本も、平積みだったもの。懐かしくて思わず買ってしまった。思えば、これがいわゆる推理小説への入口だったし ほんの少し【鉄】になったのも、この本の影響が大きかった。
元々汽車は好きだったが、時刻表を意識するようになったのは、この本を読んでからかもしれない。
昭和32年2月から33年1月まで「旅」に連載されたものだが、これは知らない。読んだのは 確かカッパノベルズでそれも発行されて直ぐではない。
今読んで不思議な感覚がある。それは登場人物が若いこと。お時は料亭の仲居だから当時は随分年長者であるかのような錯覚をしていた。20代ではないか。他の主要人物も30代が多い。
それはさておき、東京駅の13番線ホームから15番線が見通せる(13番線・14番線に列車が入っていない)たった4分間というのに、妙に反応した覚えがある。時刻表に関心を持ちだしたのもここからだったとは上に書いたとおり。
当時使っていた近鉄の上本町駅では、8つのホームがあり それが全部見通せることが出来るかなどと実際に試してみたりした。今は難波行きは地下へ潜り、このホームは大阪線にしか使われていないが。
さて、主人公の刑事が汽車の時刻からして絶対にアリバイが崩れないと悩むのだが、飛行機という考えが直ぐに浮かんでいないのが、当時読んだときから違和感があった。連載されていた頃からノベルズになった時点(というか、自分が読んだ時点)で既に10年近く経過していることで、交通手段の変化があったのかもしれないが。
これを読んだ当時は、雑誌「旅」も時折買っては、なかなか行けない旅行を夢見ていた。
ああ、又汽車に乗りたくなってきた。
ここで重要な役割を果たす戦後初の寝台専用特急列車「あさかぜ」はこの3月でなくなった。32年当時は食堂車も連結されていたことが解る。
「はやぶさ」も早く乗っておかないと同じ運命かも。
鉄道とは別のことだが、この本を読んで以来松本清張は殆どを読んできた。「ゼロの焦点」や「球形の荒野」は特に好きな作品だ。
本を開きページを読み進める。その世界に直ぐに入っていける。そういう安心感?が、清張にはあった。「砂の器」の出だし場面など懐かしい。
最近徹也の影響?で、いわゆる本格物が多かったが、又読み直したい。「ゼロの焦点」を、注文。
検索からお邪魔したモナミさんの松本清張 『点と線』 さようなら「あさかぜ」 に、トラックバックさせていただきました。
06年6月4日、よしさんの点と線に、トラックバックさせていただきました。
関連記事
別冊宝島 松本清張の世界
点と線 昭和46年5月25日発行
平成15年5月30日97刷改版
平成16年12月10日104刷
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コメント
こんばんは。
TB&コメントありがとうございます。
実は連絡していなくて申し訳ないんですが、
Happy Lightのよしです。
わけあって(深い意味はないのですが)、別ブログでやっています。
今後は随時移転していく予定なのですが…。
さて、この作品ですが、涼さんも同じ思いをお持ちですね。ひょっとして同年代?
清張ベストではないんですが、時刻表トリックベストであることは間違いありません。
清張作品や推理小説、時刻表トリックに誘ってくれた作品ですね。
これからも。
投稿: よし | 2006.06.04 20:06
よしさん、そうでしたか。「マイニフティ」ではずっと「最近一週間の記事はありません」と出ていたのです。
∥ひょっとして同年代?
あらまぁ、嬉しいこと!
記事中にリンクを張るのが遅くなりました m(_ _)m
投稿: 涼 | 2006.06.04 22:17