天津の日本語学校
「おはよう日本」で、放映されるかも!
【中国の視覚障害青年と交流しませんか】 中国天津市で、中国の視覚障害青年を対象に日本語学校を開いている青木陽子さん(全盲)と生徒一行6人が研修旅行の一環として10月4日(火)午後、情文を訪問。この機会に利用者、ボランティアの皆さんと交流会を持ちます。中国青年の日本語でのスピーチも聴けます。急な企画ですが、ご関心のある方はぜひご参加下さい。午後3時からボランティア室にて。カンパ300円。ということで、行ってきた。この訪日研修は、国際交流基金の助成金で実現したとのこと。
ゲストは、青木陽子さんと天津視覚障碍人日本語培訓学校の李校長(晴眼、男性)、生徒4人(全盲2人、弱視2人)の合計4人。生徒達も日本語が堪能。この学校の優等生のようだ。
4人の生徒さん達の話が面白かった。
Aさんは、日本語の検定試験1級の合格者で日本の電器メーカーに勤めている。この検定というのは語彙数1万語で1級のライセンスが与えられるもので、これに合格すると日本企業に勤めることが可能になる。Aさんは、視覚障害者として初めて採用されたという。
B君はなかなか愉快な青年で、7年前にこの日本語学校の門をたたきながら、大学へ入った頃一度は挫折(実は破門したのだとは、青木先生の話)。再挑戦して2級のライセンス取得。
今は天津の伊勢丹に勤務して、従業員に基礎日本語を教えているという。
その生徒達に「新幹線は速いですか」と尋ねられ「速そう」と答え「温泉は湯が熱いのですか」と聞かれて「知らない」と答えざるを得なかったことに歯痒い思いをしていたという。今回草津温泉でゆっくりする予定だとか。
彼の話は、落語のようで非常にユーモアがあって楽しかった。
C君は学生だが、大学lの日本語サークルの担当教師をしているという。
第一声が、「まいどー」だった。覚え立てということで、張り切っていた。小学生の頃にラジオから聞こえてくる日本語の音をきれいだと思ったのだそうだ。「チョーきれいでした」と参加者を笑わす。
Dさんは長春大学でオペラを学んでいる。子どもの頃聞いた日本の歌の神秘性に惹かれ、日本語の先生になりたいと思ったと語る。
アニメの「一休さん」が好きだという彼女は、最後に美しい声で歌を歌ってくれた。
生徒達から見た青木先生は、勉強も遊びも好きな理想的な教師のようだ。しかもなかなかに厳しい。
日々の生活は教科書の編纂やラジオ番組への出演。生徒のノートの点検をして授業の準備と非常に忙しい中、クリスマスには北京原人の紛争をしてチョコレートを配ってくれるなど遊び心も満点。
また、この学校は世界で唯一の学校だとして
1. 設立が日本の視覚障害者であったこと
2. 学費が無料:アジア視覚障害者協力財団(正確ではない)の寄付を受けている
3. 障害のあるなしにかかわらず、誰でも入学出来る
4. これまで中国の視覚障害者は外国語の能力試験に参加できなかったのが、日本語能力試験に合格者が出た
といったことを挙げておられた。
一行は、今夜新幹線で東京へ移動。NHKの「おはよう日本」で放映されるかもしれないということだった。
参加者の中に、全盲で始めて医師の国家試験に合格されたM青年が来ておられた。病院へ入職して3年目になるという。久しぶりにお会いできて非常に嬉しかった。
6日追記
ところで、彼らが自己紹介をするとき 名前と一緒に漢字も説明してくれたのだが、その名前の発音が日本語読みだったのでアレッと思った。
それについて、ぞふぃさんがなぜ中国名は原音表記しないのか?で考察しておられた。なるほどと、納得。
トラックバックさせていただきました。
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コメント
拙記事へのTBとコメント、ありがとうございました。
自己紹介にて自分の名前を外国語読みする気分ってどんな感じなのでしょうね。
また自分の名前の中国語読みがどんなものなのかも知りたくなりました。
中国の方に自己紹介する機会があったらそのときは中国読みで自分の名を名乗ってみたいですね。
投稿: ぞふぃ | 2005.10.07 12:26
ぞふぃさん、コメントをありがとうございました。
∥自己紹介にて自分の名前を外国語読みする気分ってどんな感じなのでしょうね。
ああ、そこへ思い至りませんでした。ただ、彼らは日本語学校の学生だということもあったかもしれません。
∥中国の方に自己紹介する機会があったらそのときは中国読みで自分の名を名乗ってみたいですね。
ええ、是非そうしてみたいです。
それにしても、中国語を仮名で原音表記するのは難しいというのはうなずけますね。
投稿: 涼 | 2005.10.07 14:05