横山秀夫【半落ち】
横山 秀夫〔著〕 出版社 講談社(講談社文庫) 発行年月 2005.9 税込価格 : \620 (本体 : \590) ISBN 4-06-275194-1 bk1で詳しく見る |
請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが、犯行後2日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。感涙の犯罪ミステリー。
人は誰のために生きているのだろうか?生きていることの難しさを問われた本だった。
キーワードは、50年(但し、今年から54年になっている)。
妻を殺したと自首してきた、W県警察本部の教養課次席梶聡一郎。映画でこの梶を演じた寺尾聡の相貌がずっと浮かんでいた。
空白の二日間を巡っての警察と検察の攻防。梶と関わる取調官・検察官・新聞記者・弁護士・裁判官・刑務官の、野望と挫折。それぞれに家庭があり、それぞれのドラマがある。
様々な人間模様を描きつつ、最後まで謎は解けない。
そうなのだ。佐瀬も植村も志木も。敵も味方もなく、各々が立場を超えて梶を静かに見守っている。
そっとしておいて下さい。
一つぐらいは、自慢話を持っていたい――
『命をありがとう』
誰もが、梶の澄んだ目に影響を受け、死なせまいとしている。しかし、梶の後半生はどうなるのだろう。それを19歳の少年に託すことは、可能だろうか?
人は、誰のために生きているのだろうか?誰のために、死ぬことが出来るのだろうか?
半落ち
2005年9月15日第1刷発行
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