◆森博嗣【捻れ屋敷の利鈍】
森博嗣〔著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2005.03 定価 \540 (本体 : \514) ISBN 4-06-275033-3 bk1で詳しく見る |
秘宝が眠る「メビウスの帯」構造の捩れ屋敷。密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えた。さらに、第二の死体が。招待客は保呂草潤平、西之園萌絵。講談社ノベルス創刊20周年記念、本編が封印された「密室本」。この紹介文は、ノベルズのもの。本書は文庫化したものなので、当然ながら封印されてはいない。
萌絵・犀川コンビシリーズとVシリーズのドッキング。
とはいえ、ここにはVシリーズでおなじみの可愛い練無も紫子(しこちゃん)も登場しない。青春真っ最中のこの頃から20年ほど後の話であろうか。
発行された順に読んでいたのでは徐々にしか気付かなかったであろうことを、「森博嗣本」でばらされてしまってからは、割合冷めた目で読んだきたと思う、犀川・萌絵シリーズとVシリーズの関係、さらには四季シリーズとの接点。幾つかの矛盾点を見つけつつ、それも楽しんできた。
Vシリーズもこれで終わりか。
瀬在丸紅子が始めて登場したとき、これは萌絵の後年の姿かと思ったのだが、時代設定はまったく逆だった。
保呂草から見た萌絵と紅子の類似点。萌絵から見た、犀川と保呂草の類似点があるところを見ると、まったく見当違いではなかったのかもしれない。
萌絵対保呂草の対決は、一応保呂草の勝ちということだろう。だが、犀川は見破っていた。
子どもの頃読んだ、ルブランの「怪人対巨人」を少し思い出した。
最終部分、紅子の慌てぶりがおかしかった。
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