池谷裕二【脳の仕組みと科学的勉強法】
「誰でも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法」
池谷裕二〔著〕 出版 ライオン社 発売日 2001.12 定価 \750 (本体 : \714) ISBN 4-8440-6203-4 bk1で詳しく見る |
脳科学の最前線からアプローチし、脳の性格を上手に応用した実用的・具体的な勉強法をレクチャー。記憶ごとの特性を活用した効果抜群の勉強法や、天才を生み出す驚異の記憶法などついて解説する。
非常に平易な文で書かれた勉強法の本。
先に読んだ「海馬」と通じるが、「海馬」が対談本であったのに対しこれは著者の考えがストレートにまとめてある。
ちょっとした言葉にも解説が付き、書いてあることがスーッと入ってくる。対象は現在勉強をしている高校生あたりだろうが、中学生でも読めるし、これまで経験したことのないことを勉強している主婦にとってもわかりやすい本だ。
敢えて難しい言葉を使わずに、脳の仕組みという難しいことを易しく(つまり優しく)解説していることに敬意を表したい。最近、サラッと書けばいいことを難しい言葉を(しかも間違えて)使われたために少々混乱した身としては、余計にそんな気がする。
第1章で、脳の機能は「忘れて当然!」と安心させ、第2章では曖昧でいい加減な「脳の本質」と説く。その上で第3章で、誰でも天才になれる「記憶法」を具体的に説明し、第4章で、記憶の仕組みと学習方法を伝授する。
「脳は忘れるものだ」と言われれば、何となく安心するではないか。
海馬は、記憶のフィルターとして働き、命に関連しないことは出来るだけ排除しようとする。これを逆に応用して、忘れたがる脳を瞞しつつ、如何に効率的に勉強の成果を上げるかを示してくれる。
具体的には、一ヶ月間に何度か繰り返し復習すること。学習した翌日に一回目。一週間後に二回目。二回目の復習から二週間後に三回目、最後に三回目の復習から一ヶ月後に四回目をするのがベストだという。
四回の復習を少しずつ時間感覚を広げながら二ヶ月かけて行おうというもの。
主婦の学習の場合、例えば教室に通っているだけで安心して、なかなか復習の時間を取らないことが多い。「最後は本人のやる気」とは、読みを見て貰っている人との会話だが、現実にはなかなか進まないのが悩みである。
誰でも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法
2005年8月25日第10刷発行
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