【「明星」50年601枚の表紙】
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明星編集部〔編〕 出版 集英社(集英社新書) 発売日 2002.11 定価 \1,050 (本体 : \1,000) ISBN 4-08-720170-8 bk1で詳しく見る |
「平凡」「明星」を、自分で買って読んだことはない。夏休みに郡上(岐阜県)へ行くと、親戚宅にその家のお姉さんが読んでいる本があった。どちらだったかは覚えていない。
当時人気のあった映画スターの生い立ちなどを読んだ記憶がある。表紙については、特に惹かれたという印象は残っていない。
この本が新書だったことは届いて始めて知ったのだが、新書なのにズシリと重い。まさに601枚のカラー写真を収めたグラフ誌である。1952年10月創刊号を飾ったのは、津島恵子だった。この年は、原節子、高峰秀子と続く。
以下、10年ごとに橋本治氏による解説が入る本書は、まさに戦後の芸能誌そのものである。
それぞれの年代のキーワードとしては、50年代が「赤いイコンの女優達」。上の三人や美空ひばり、香川京子、岸恵子。後半には、若尾文子や淡島千景も登場する。この間男優の表紙は、鶴田浩二と佐田啓二のみ。本書には、佐田啓二のところには、わざわざ(中井貴一の父)と記してあった。
60年代は、吉永小百合が活躍した映画の時代。浅丘ルリ子もデビューする。
1962年12月号に、ひばりと小林旭がツーショットで登場しているが、これは珍しい部類だろう。婚約発表はこの年だったのだろうか。
女優一人での表紙が大半だったが、この年代後半からは女優と男優の共演?となる。
70年代は篠山紀信が撮影を担当。山口百恵が現れて、去っていく。
その後の表紙は大勢で構成されることが多くなってくる。個でアピールする時代が終わったのだろうか。
そして、90年代は男性アイドル、それもジャニーズ達が集団で表紙を飾って、10代の女の子達にほほえみかけている。
それまでは、みんな同じように屈託なく明るく笑っていた表紙が、時にキムタクのキッとこちらを見据える目の月もあり、創刊当初と比べてみると、随分変化したものだ。
こうした表紙の変化は何もひとり「明星」に限らないが、この本は同時に芸能誌の変遷をも語っている点に、特徴があろう。
「明星」50年601枚の表紙
2002年11月20日第1刷発行
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コメント
こんにちは。
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香川京子さんの出ている広告についても
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よかったら、寄ってみてください。
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投稿: kemukemu | 2007.01.14 21:39