◆【「Y」の悲劇】
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有栖川有栖〔ほか著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 1996.4 定価 \560 (本体 : \533) ISBN 4-06-264912-8 bk1で詳しく見る |
有栖川有栖、篠田真由美、二階堂黎人、法月倫太郎が、同じテーマで書き継いでいく書き下ろし短編集。
こうした短編集は、お目当ての作家のもの以外はあまり読まないことも多く、正月に読んでいた本も途中放棄している。今回は一応全部読んだ。
有栖川有栖は、デビュー作の「月光ゲーム」のサブタイトルに「Yの悲劇」を持ってきているくらいクイーンファンだ。その後も国名シリーズを出している。
本書「あるYの悲劇」も、有栖と火村コンビが事件を解決する。
クイーンの「Xの悲劇」から始まるダイイングメッセージものは、強引すぎる嫌いがあるが、著者のものもそれに近い印象を受けることが多い。しかしこれは、比較的納得できなくもなかった。
篠田真由美の「ダイイングメッセージ《Y》」は、蒼が語り手になっている。本書の中では一番面白かった。二重にトリックが仕組まれている(厳密にはトリックとは言えないが)。
二階堂黎人の本は何か読み始めて途中放棄したことがある。その先入観もあるのかもしれないが、構成もトリックも面白くなかった。氏の小説の中ではお馴染みの登場人物なのだろうか?
法月倫太郎の二階堂親子ものは、以前にもこうしたアンソロジーで読んだことがある。クイーン警視と息子をなぞっているのか?
動機はともかく、トリックもちょっと弱い気がする。
クイーンの「Xの悲劇」は非常にこじつけた《X》が好きでなかった記憶がある。がしかし、本家の《Y》を読んでみるとするか。
「Y」の悲劇
2000年7月15日第1刷発行
2000年9月 1日第3刷発行
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