【必笑小咄のテクニック】
米原万里〔著〕 出版 集英社(新書) 発売日 2005.12 定価 \714 (本体 : \680) ISBN 4-08-720323-9 bk1で詳しく見る |
日本人離れしたユーモアセンスの持ち主である著者が、世間に流布する笑いの法則を突き止めて分類し、自作も含めて豊富な例をあげながら、笑いの本質に迫る。この一冊で、ユーモアとジョークの達人になる!
「壺算」はじめ、古今東西、様々な小咄・ジョーク・ショートショートを紹介し、そのあとで「応用問題」が出題される。自分なりにオチを考えて解答せよという寸法だ。これで技を磨けば、日常生活にも取り入れることが出来るかもしれない。
いや、引っかかるということでは詐欺とも似ている。詐欺に引っかかるのは避けたいが、小咄でだまされても笑って済ますことが出来る。
著者はまず小咄を分類し、その仕組みを明らかにした上で、それを応用した小咄を作ろうとしている。それが、先に挙げた応用問題である。
動物や子供が出てくるもの。木を見せてから森を見せる手法。誇張と矮小化。
相手が(勝手に)誤解することを狙って、最後にひっくり返して見せる手法。これには艶っぽい話も多いようだが、実際にはそうした言葉は出てこない。(読者の勝手な)想像力に任せている。
これを少し固く?して、政治的な場面でもきわどい話はある。特にオープンで好きなことが言えないとされていた体制を皮肉っているのが面白い。
最後に一つ、短い話を引用させていただこう。
母親が息子に、 br>
「ああ、やだやだやだ。嘘つきは泥棒の始まりだよ。ママがお前の立場だったら恥ずかしくてたまらないわ。まだ十歳だというのに、そんなに嘘ついて。」 br>
「ママ、そしたらママは何歳の時から恥ずかしがらなくなったの?」
必笑小咄のテクニック
2005年12月21日第1刷発行
2006年1月28日第3刷発行
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