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2006.03.20

内田百閒【第一阿房列車】

daiiti ahoressha
内田 百閒〔著〕
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行年月  2003.5
\500 (本体 : \476)
ISBN  4-10-135633-5
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何とも愉快きわまりない、紀行文?汽車好きの人必読。読んでいて飽きることがない。観光地の見学といったことではなく、ただただ汽車に乗りたい人の旅。

特急「はと」に乗るためだけに大阪へ行く「特別阿房列車」。突然思い立ったように、特急「はと」に乗って大阪まで行く。往路は一等車だが、帰りは手元不如意で、三等車で帰ってくる。というような旅を楽しんでいる。
各駅停車(とは言っても、電車でないので停まらない駅もある)で近場へ行く「区間阿房列車」。関門海峡をこえていく「鹿児島阿房列車」。

随所に出てくる「鉄道唱歌」やいつも連れにされるヒマラヤ山系こと平山三郎との会話も楽しい。

阿房列車を仕立てるのが著者で、読者は乗客である。乗ったからには、一緒に楽しむ必要がある。そして、それは充分に満足のいくものである。

戦後5年だから、まだまだものが充分あるとは言えないが、その中でまた 尾籠な話だが、何故停車中にトイレへ行ってはいけないか、若い方はご存じだろうか。思えば長期間大変なことをしていたなぁとは、つれあいとの会話。


先日買った「男の隠れ家」に、【文豪】として紹介されていた。
それによると、山系こと平山三郎は、百閒の全旅行に同行している。そして、出発の際必ず見送りにきていたのが、平山の上司中村武志だ。といってもご存じない方が多いだろうが、「サラリーマン目白三平」を現職時代から書いていた人。本の中では、「見送亭夢袋」として登場する。
切符がないと言って駅長室で尋ねると調達して貰える。行く先々では駅長と親交を温めている。これらは、中村始め国鉄の好意があったのではないかということだ。

ただただ汽車に乗るのが好きで、景色を眺めたり温泉に浸かったりを潔しとしていない。
各章毎に惹かれるところも多く、これらの跡を追って同じ線路を辿ってみたい。
しかし、現実には車輌を始め、今の特急の方が快適なのは、言うまでもない。


第一阿房列車
平成15年5月1日発行
平成17年2月25日5刷


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コメント

百閒先生はわたしもけっこう好きで、文庫すら持ってはいないのですが、時々読みたくなっては図書館で借りております。
最近はこんな読み応えのある(しかも愉しい)随筆を書ける人ってなかなかいないよなぁ…などと思いながら。
記事を読むと実に愉しそうで、わたしも読みたくなりました。また借りてきたいと思います。^^いや、買おうかな…。
ではでは。

投稿: ぽち | 2006.03.21 00:46

ほちさん お早うございます。

∥読み応えのある(しかも愉しい)随筆を書ける人ってなかなかいないよなぁ

洒脱という言葉が合いますね。豪快な感じもします。こんな旅行が、憧れなのです。

第二阿房列車もあるようですよ。

投稿: | 2006.03.21 11:09

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