森村誠一【写真俳句の愉しみ】
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森村誠一〔著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2006.4 定価 \1,680 (本体 : \1,600) ISBN 4-902835-12-6 bk1で詳しく見る |
写真俳句を四季・歴史の5テーマに編集し「制作過程」と「散歩術」も大公開。「森村誠一の写真俳句のすすめ」に続く第2弾。
前回から、まったく進んでいない。今回も実作へとは至らず、鑑賞したに過ぎない。
本編の前に「写真俳句の創作過程」と題した章があり、写真を先に撮った場合、句が先に浮かんだ場合、写真と同時に句が出来た場合の処し方などが書いてある。
また、下五句が俳句の運命を決めるとして、読者の応募作を挙げておられる。
炎天下驢馬ゆっくりと地雷原
唐突に、いつか読んだ「蠅」という短編を思い出した。誰の作品だったろう?(おそらく)夏、乗り合い馬車に様々な事情を持って人たちが乗り込む。馬車は静かに出発し、山道へさしかかる。御者は眠気に勝てず、馬はゆっくりと山道を進んでいく。一匹の蠅が、馬の顔にまとわりつく。それを避けようとしてだったか、馬は路を外して……
という筋だったと思う。
俳句は、たった17文字でドラマを構成する。
意識せずして、引き締まった下句が作れるようになりたい。
著者の作品で心打たれたもの
彼岸過ぎ形見の本や犬の耳(註)「犬の耳」は、ページの折り目のこと
海行かば大和の屍六十年これも、掲載された写真と相まって印象に残った。
著者の作品は、それぞれの季節の風景を切り取ったもののようであって、そこから氏の過ごしてこられた人生を垣間見ることが出来るようで、共感できることも多い。
写真俳句の愉しみ
2006年4月30日第1刷発行
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