【ヴェネツィア殺人事件】
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ダナ・レオン〔著〕北条元子〔訳〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2003.3 \940 (本体 : \895) ISBN 4-06-273702-7 bk1で詳しく見る |
一人は実直な役人、もう一人は弁護士、そして、ドラッグから抜けた大学生。
一見無関係な三人の死がつながっているのではと、ヴェネツィアの警視ブルネッティは考える。医療ミス・汚職・上司の息子の不始末など、うんざりするような中で、次の事件が起きる。
ブルネッティは、そうした社会の諸々の悪に、ティーンエイジャーの息子や娘が巻き込まれないかと怯える父親でもある。
そのブルネッティも、時には昔の友人や恋人だった女性を使って情報を得る。上司の秘書エレットラのハッカーまがいの手法にも大いに助けられている。
終盤、物語は一気に読ませるが、(死者も含め)登場人物達の整理が出来ておらず、尻切れトンボの感は否めない。解決できない二人については、あっさりと放りっぱなしだ。
「ヴェネツィア刑事はランチに帰宅する」と同じく、大学講師の妻パオラが作る料理は、あいかわらずおいしそうだし、これでは誰でも一旦帰宅してランチをしたくなるだろう。
警察が所有する舟での移動というのも、当然ではあるが面白い。
ヴェネツィア殺人事件
2003年3月15日第1刷発行
2005年11月1日第3刷発行
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コメント
涼さん、こんばんは~。
最近あまり本も読まないのですが、ヴェネツィア殺人事件 おもしろそうですね~。
先日、この記事を読んで興味が湧いてきました。
早速 図書館に予約し、昨日借りてきました。
どんな展開なのか楽しみです。
本が溢れていて、本屋さんでは何時も迷います。(最近はもっぱら図書館から借りていますが、それも迷います。)
本の紹介 大変参考になります。
ありがとう。
投稿: zucca | 2006.05.29 21:23
zuccaさん、こんばんは。
読み始められたのですね。
最後の詰めが少々甘いかなという気がしますが、なかなか楽しめる本です。
洒落た会話がいいですね。
それから、おいしそうなお料理も!
zuccaさんなら、作ってしまわれるかもしれませんね。
投稿: 涼 | 2006.05.29 23:40