【頑張る日本の文房具】
頑張る日本の文房具 | |
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「シリーズ知・静・遊・具」編集部〔編〕 出版 ロコモーションパブリッシング 発売日 2006.6 定価 \1,680 (本体 : \1,600) ISBN 4-86212-045- bk1で詳しく見る |
ニッポンの文具は、やっぱりすごかった。そこにはハイテクと職人技と情熱があった。TOMBOWのデザインコレクション、MAXのホッチキスなど、全23メーカーを総力取材し、実力派ステーショナリーのすべてを紹介。
この本に出てくる文房具を一度も使ったことのない方は、おそらくいらっしゃらないだろう。
「あ、これ知ってる」「学校で使ってた」というノートや筆記具、その周辺の色々な文具、日々研究されて進化していく新しい文具。単に商品だけでなく、これらの作り手の研究や視点も丹念な取材で紹介してある。作っている人たちの息づかいが聞こえるようだ。
トンボや三菱の鉛筆がある。マルマンのルーズリーフノートがある。コニシのボンドやオルファのカッターもあれば、サクラのクーピーやクレパスも登場する。
ホッチキスというのが普通名詞だと思っている人も多いだろうが、このステープラーは、マックスの商品名なのだ。
当たり前かもしれないが、意識せずに使っていたものが多かったのも驚きだった。
立ち寄った文具店でふと見かけて購入した便せんや封筒。あれ、これは持っているよ?ヒョッとしたらと確かめてみると、ライフの製品だった。郵袋を送るときに欠かせない情報カードもライフ製だとは、表にLIFEと書かれていても気づいていないのである。
子どもの頃から使っていた文具と最近使い出した文具を一同に眺めて、ほのぼのとした気持ちになっている。
全部紹介したいが、それは無理な話だ。
書くのも保存するのもパソコンがあれば充分という方も、手にとって損はないと思う。
終わり近く、「大阪名品文具紀行」と題したページがある。マジックインキやRadar印の消しゴムも大阪発だった。
ややページ数が少ないが、国産万年筆メーカー3社の話も興味深い。
一通り読みましたというのではなく、時折パラパラとめくって部分的にじっくり読みたい本。
懐かしさと新しさのバランスがいい。日本の文房具は、すぐれもの揃いだ。
頑張る日本の文房具(シリーズ知・静・遊・具-知ヲ静カニ遊バセルタメノ道具タチ-) ジャパニーズ定番ステーショナリーの実力
2006年6月10日第1刷発行
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