【犬と話をつけるには】
犬と話をつけるには | |
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多和田悟〔著〕 出版 文藝春秋(文春新書) 発売日 2006.6 定価 \714 (本体 : \680) ISBN 4-16-660508-9 bk1で詳しく見る |
盲導犬クイールの訓練士が「どうしたら犬の気持ちがわかるようになるか」の問いに、犬は後悔しない、犬は褒められるのが大好きなど、犬を知るための5つの法則を挙げ答える。また、犬と過ごす毎日を日記形式で紹介する。
犬を飼いたいと思っている人・現在飼っている人に読んで頂きたい本。
まず第一章で「犬を知るための5つの法則」を、第二章では「私はなぜ盲導犬を育成するのか」、第三章は「犬と毎日をどう過ごすか」という構成で書かれている。
第一章の中で、犬というものについて述べ、犬と仲良く暮らすにはどうすればよいか、ご自身の訓練士としての半生も語りつつ楽しく書かれている。
いずれも、なるほどなぁと思わせることばかり。
「カリスマ訓練士」と呼ばれてはいらっしゃるが、おやりになっていることは犬を愛し犬が楽しく暮らしたいと思うように仕向けていらっしゃるということ。
・ 犬は明日のことを考えない
・ 犬は後悔しない
・ 犬は褒められることが大好きである
・ 犬は楽しませてくれる人が好きである
・ 犬にはそれぞれ性格がある
家庭犬に必要な三つの躾や「一から犬とやり直すには」といった項目もある。「うちの犬は……」という方は、是非本書をお読みになることをお勧めする。きっと今からでも大丈夫だろう。
犬との会話が楽しい。
たとえば著者が盲導犬候補の犬を十頭集めて
「この中で盲導犬をやる子」と聞いてみると、と、ちゃんと答えるという。著者はこれを、「犬と話をつける」と表現していらっしゃる。犬との繋がりができれば、会話も成り立つという。
「僕、待つの苦手だしな、野原を走っているほうがいいし、ちょっとパス」というのもいれば、
「人間と一緒に暮らすの平気だよ」と答えるのもいます。そういう犬に、
「じゃあ、お前、盲導犬やる?」と聞くと、
「うん、やってみる」
もしかしたら、カリスマのやっていらっしゃることはとても常人が出来ない大変なことだと思ってしまわないだろうか。しかし、著者は淡々と、「バカになること」「本気になる」ことと、犬を訓練する心構えを述べている。
それは、親としての子どもとのつきあい方でもあり、また仕事でのリーダーシップでもある。
犬と話をつけるには
2006年(平成18年)6月20日第1刷発行
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