【あなたのために】
あなたのためにいのちをささえるスープ | |
辰巳芳子〔著〕 出版 文化出版局 発売日 2000.12 定価 \2,730 (本体 : \2,600) ISBN 4-579-20825-0 bk1で詳しく見る |
スープと人のかかわりの真髄は「一口吸って、ほっとする」ところ。すまし汁、みそ風味の汁、ポタージュ、ポトフなど、一口飲んで、肩がほぐれるようにほっとする数々のスープレシピを紹介する。
「お祝いは何がいい?」
「仕事」
「うーん、家なら何とかなるけど、仕事はねぇ」
北の国へ嫁いでいく若き友人との会話である。
その彼女が幾つかリストアップした中の一つが、本書だった。他にも台所用品など細々とした「欲しいもの」はあったのだが、好みもあること故 本ならまちがいない(が、「家」との落差を見よ!)
さっそくBK1で取り寄せて見て、自分が気に入った。彼女にはまた注文することにして、これは自分用にする。
著者辰巳芳子氏の、スープに込めた願いがある。
・ 人が生を受け,いのちを全うするまで、特に終りを安らかにゆかしめる一助となるのは、おつゆものと、スープであると、確信しております。願わくは、日本の病院食にこの本が貢献しうる日がありますように。
・ 学童、中高生の給食には、安全な農作物、雑魚の出汁、日本大豆のみそで作ったみそ汁を実現させたいのです。
国家予算が動いてもよいほどに、価値あることだと思います。(「価値あること」に傍点)
・ もっとも切なる願いは――
家庭生活の愛と平和を、おつゆもの、スープが、何気なく、あたたかく、守り育ててくれますように。スープは家庭生活のとりでであるとさえ思います。
ともすれば、メインディッシュの前の副菜扱いのスープ。だが、サブタイトルに「いのちをささえるスープ」とあるように、これは著者が心を込めて嚥下困難な父上のために作られたスープがもとになっている。
また、「色の名前」と似た表紙絵は、バウハウス美術館の作品を使っておられる。頭の中にあるものを色と形で提示されたと、表紙として使うことの許可を求められたのだという。
著者は「スープの会」を主催し、自宅等で教室を開いて教えていらっしゃる。
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2002年9月2日第1刷
2006年5月8日第31刷
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コメント
涼さん、こんにちは。
我が家の食卓はお恥ずかしいほど簡単な品が並んでおります。
それでもご飯と味噌汁(orお吸い物などの椀物)はセットで出すようにと、
それが最後の砦のように思っておりました(笑)。
へたすると(特に朝食時など)おかずのないような日もありますが、
「味噌汁があるから・・・!」
と強引に自分への言い訳にしております。
今回ご紹介されたご本、
決して私のモノグサ振りを肯定してくださるものではないと思いますけれど、
それでも、ちょっとほっとしたというか・・・
ありがとうございました。
投稿: ぞふぃ | 2006.07.07 17:33
ぞふぃさん
この本には、スープだけでなくみそ汁のことも書いてあります。
思えば、赤ちゃんが最初に食すのは、離乳食というものがないころから、薄いみそ汁であったりしましたね。
みそ汁・豆は、日本食の原点かもしれませんね。
投稿: 涼 | 2006.07.07 19:45
こんばんは!
私の過去記事に辰巳先生のスープ関連があるのでTBしたかったんですが・・。ココログがあれなので(-"-)出来なくて残念です。
先生のご本では「手しおにかけた私の料理」もすっきりした本で重宝してます。なかなか真似できませんが^^;
投稿: 桜桃 | 2006.07.08 22:23
「手しおにかけた私の料理」は、「辰巳芳子がつたえる母の味」とありますが、元は浜子さんの著作なのですね。
婦人の友社ということは、この本について目にしたことがあるはず。
自分には、伝えるべき母の味というのがあるのかしら (-_-;)
夏休みにチビさんに少しでも教えることにします。
投稿: 涼 | 2006.07.08 22:42