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2006.08.25

◆篠田真由美【Ave Maria】

Ave Maria
Ave Maria 篠田真由美〔著〕
出版  講談社(講談社ノベルス)
発売日 2004.5
定価 \924 (本体 : \880)
ISBN  4-06-182370-1
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蒼が京介に出会うことになった薬師寺事件の真相がついに明らかに! 大学2年生になった薬師寺香澄が差出人不明のカードをきっかけに、自ら事件を振り返る。蒼の過去の事件に触れる建築探偵番外編。


原罪の庭」の後日物語。「原罪の庭」を読んでから本書を読んでほしい旨の、著者からのお願いが最初にある。
「原罪の庭」については細部は殆ど忘れていたが、本書を読むことで徐々に思い出すことが出来、再読の必要はなさそうだ。

さて大学二年生になった蒼は、時効間近になった自分の関わった事件と向き合うことになる。
もう、京介が蒼と出会った年頃になっているのに、蒼が幼い印象は一向にかわらない。今回は、蒼自身がそのことを自覚し、自立するためにも京介や深春達の助けを一切借りないで、解決していこうとする。

従って、京介登場場面は多くない。しかし、他書にもまして京介の保護者ぶりが描かれている。上でも触れたが、蒼はもう京介が蒼を助けた年齢になっているのだ。
いつも、保護している方は、いつまでもその役割から降りたくないものだ。つまり、子離れは難しいということ。

さて事件?の真犯人というか、謎の人物についてはかなり明確なヒントがある。月曜日の書き込みである。これより前だったか、偶然の邂逅もあれ?と思わせてくれてヒントになっている。


また本書では、ネット上の色々な情報についても言及している。蒼はそうした情報に振り回されることはないものの疲弊させられるわけだが、謎の黒幕門野氏に

インターネットというのは便利な道具だが、人に品性を教えてくれるようには出来ておらん。というか、便利なものが出来れば出来るほど、人間というやつは品下っていくものらしい。
と言わせている。


書店で手に入ったのが本書だったので、何冊かはスルーしてこれを先に読んでしまったことになる。冒頭、京介の負傷についての事件などは、その何冊かで語られているのだろう。

また、最終部分、蒼が休学してかおるの看護にあたっている間に、「胡蝶の鏡」の事件が起こっていることになる。


著者が解説で触れておられるように、桜井京介のシリーズ物は順序を変えて読んでも一応独立したものとして読める。しかし年齢もキッチリと上がっていくので、やはり順を追って読んだ方がより理解しやすいだろう。

Ave Maria
2004年5月10日第1刷発行
2005年2月15日第2刷発行


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