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2006.08.15

宮部みゆき【東京下町殺人暮色】

東京下町殺人暮色
宮部みゆき〔著〕
出版  光文社(光文社文庫)
発売日 1994.10
定価 \540 (本体 : \514)
ISBN  4-334-71944-9
bk1で詳しく見る

今手元に本がないのだが、好きな本の一つ。

主人公は、中学生の矢木沢順。刑事である父親と二人暮らしをしている。犯人とそのまわりの人たちに関しては、非常に憤りを覚えたような気がする。
しかし、ここではミステリとしてよりも、あの東京大空襲が与えた影響についての話に、順達が引き込まれていく過程がよかった。

次第に深みにはまっていきながら、順が父親の仕事について一種恐怖を感じるあたりも、リアリティがあった。徹底した悪人が登場するわけではないのだが、その分背筋が寒くなる恐怖感もある。
普通の少年たちが学んでいくという点で、「蒲生邸事件」とも少し類似点があるようにも思う。
特に、東京大空襲を描いた絵が物語のキーポイントである点にも、よく似た印象を持った。

ここでも、順と家政婦の会話に宮部さんらしい暖かさがよく出ていた。


蝉の声も止んだ、8月15日の午後。
高校野球は、8強のうち3校が決定した。


東京下町殺人暮色


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