太宰治と美知子
太宰治と美知子「海」(asahi.comBE「愛の旅人」より)
多くの人が若い頃、太宰に夢中になる。
二年前に出来た「太宰の宿 ふかうら文学館」の館長山田邦照さんは、
「高校生のころ太宰にかぶれて、ずいぶんたくさん読みました。でもだんだん嫌になって、大学以降は見向きもしなくなりました」という。だったという。ここまでは一緒だ。だが、退職後この記念館の設立に関わるようになって読み返したら
「やっぱり面白かった。いい作品だなと思いました。とても繊細で優しくて、それを素直に出せないのが太宰という人なんですね」と言う。自分自身が青春真っ盛りの頃は、太宰の甘えが許せないように思うことがある。それが年を重ね、自分の弱いところを知るにつれ、太宰の魅力を再発見できるのだという。
女性から見た視点と幾分違うかもしれないが、再読してみようか。
ふと思い出したのだが、墨字(活字)本が読みにくくて(また点字や録音の図書も少なく)若い頃に読まなかった太宰を読み始めた50代の方が「今ごろ太宰デビューです」仰有っていたことがある。少年のように頰を紅潮させておられた。やはり太宰は、人を惹きつけてやまないのだろう。
今も、「人間失格」は新潮文庫の売り上げの二位だという。
朝のNHK連続ドラマ「純情きらり」の主人公は、太宰夫人美知子さんの妹が主人公だとか。姉の夫として出てくる画家が太宰らしい。
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コメント
涼さん、こんばんは。
もうかれこれ20年近く太宰ファンのぞふぃです。太宰好きが高じてチェーホフまで好きになってしまったくらい・・・
でも彼の作品を読むまではその略歴から「こんな男、女の敵だ!」と思い「決して読んでなんかやるものか!」と思っていましたが(高校生くらいかな)(笑)。
>「純情きらり」の主人公は、太宰夫人美知子さんの妹が主人公だとか。
ああ、そうなのですか、そういわれてみれば津軽弁ですね。
もっとも冬吾氏は私の中の太宰さんのイメージよりかなり「いいひと」風な気がしますけれど・・・
投稿: ぞふぃ | 2006.09.16 21:59
若い頃はその不遜な姿勢が大好きになったり逆に疎ましかったりするのかもしれませんね。
のめり込んだ人は、今度は毒気?にあてられすぎて少し距離を置きたくなる。そんな作家なのでしょうか。
でも、やはり女性から見た太宰は、不思議な人です。
投稿: 涼 | 2006.09.21 00:05