絲山秋子【逃亡くそたわけ】
逃亡くそたわけ | |
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絲山秋子〔著〕 出版 中央公論新社 発売日 2005.2 定価 \1,365 (本体 : \1,300) ISBN 4-12-003614-6 bk1で詳しく見る |
あたしは同じ入院患者の気弱な男を誘って病院を脱出した。何処へ逃げるのか、何から逃げるのか…。逃げるのに、理由なんていらない。2人を乗せた車は東へ南へ。九州縦断行の果てに何がある?
芥川賞受賞作「沖で待つ」を読んで、他のものも読みたくなって購入。
著者ご自身の体験も多少は含まれているのであろうか。
「くそたわけ」とは、名古屋弁で「バカ」のこと。しかし微妙に意味合いは違う。関西弁の「アホ」を説明しにくいように、これも一種独特の雰囲気を持つ。小さいときから聞き慣れているこの言葉への親近感もあって読みたかった。
但し、舞台は九州。飛び交うのは九州弁である。
この九州縦断逃避行の末、「あたし」の躁はいつの間にか直っている。
最後に同行した「なごやん」の優しさに少しだけ触れて物語は終わる。
本書の二人も、「沖で待つ」の「私」と「太っちゃん」のように、恋人同士ではなく、逃亡する同士といった間柄である。
それにしても、病院というところはもう少し何とかならないのだろうか。
逃亡くそたわけ
2005年2月25日初版発行
2006年1月30日3版発行
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