【夜のピクニック 】
夜のピクニック | |
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恩田 陸〔著〕 出版 新潮社(新潮社文庫) 発売日 2006.9 定価 \660 (本体 : \629) ISBN 4-10-123417-5 bk1で詳しく見る |
恩田陸という名前は知っていたが、何となく敬遠していた節がある。食わず嫌いというのかもしれない。
2004年の本屋大賞を取った本書を、なぜもっと早く読まなかったのか、自分でも不思議だ。
晴天というのは不思議なものだ、と学校への坂道を登りながら西脇融は考えた。
と始まっているが、ホームから見上げる空は、まさに「朝から雲一つない文句なしの晴天」なのだ。
往路はもちろんのこと、いつもは電車の中でい眠っている帰路も読みふけり、読了してしまった。
高校最後のイベントに賭けた一つの願い。あの一夜の出来事は、紛れもない「奇跡」だった、とあたしは思う。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。『小説新潮』隔月連載を単行本化。
この融と貴子(あたし)が交互に登場して物語を進めていく。
予想外の人物設定だが、比較的早い段階で二人の関係は知らされる。
あとは、青春真っ盛りの甘酸っぱい色々な思い出を、歩行祭という30時間ほどに凝縮して描いている。
それぞれに個性的な健康な高校生達に、拍手を送りたい。
君たちは明日からもまた、二度と会うことのない人に出会っていく。多くの「一生に一度」を体験していくのだ。
夜のピクニック
平成18年9月5日発行
平成18年9月15日2刷
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