畠中恵【ねこのばば】
| ねこのばば | |
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畠中恵〔著〕 出版 新潮社 発売日 2004.7 定価 \1,365 (本体 : \1,300) ISBN 4-10-450703-2 bk1で詳しく見る |
あの若だんながグレちゃった? 身体が弱くて繊細で、正義感あふれる若だんなと、頼りになるけど、ちょっとトボけた妖怪たちが繰り広げる、愉快で不思議な人情推理帖。「しゃばけ」シリーズ第3弾。
「しゃばけ」「ぬしさまへ」に続く若旦那シリーズ。表題作「ねこのばば」他4編を収録。
「しゃばけ」では意表をつく設定を堪能し、「ぬしさまへ」では更に若旦那の推理が冴えた。妖(あやかし)たちの活躍も楽しんだ。
しかし、本書では楽しさがあまり感じられない。
「茶巾たまご」の下手人の「何でやってはいけないのか、分からなかった」には、背筋が寒くなる。
「花かんざし」では、袖の下を受け取らない堅物の岡っ引き孫蔵は、真相を見抜きながらも不問に付す。これには救われる思いがする。
「ねこのばば」も、早くに僧門へ入って世間知らずのまま過ごした若い僧の悲劇。現代にも通じるものがある。判断力というのは、社会に揉まれる中で育っていくのだろう。
「産土」は、唐突だ。意識的に今の状態と混乱するような書き方をしているとしか思えない。それでも、色々矛盾したところがあり、これは違う話だなとは判ってくるのだが。
同じ昔語りでも、「白沢」こと仁吉の話とは違って、哀しい。
『かえる』は、アクセントが違うから受け取り間違いは無いはずだが。
「たまやたまや」
幼い日の己らのように、子らは婚礼の華やかさを、今、目に焼き付けているのだろうか。空をゆく虹色のしゃぼん玉は、美しくても手を触れられない。
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ねこのばば
2004年7月20日発行
2006年9月15日19刷
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コメント
11月28日発売予定の文庫を心待ちにしているわたしです。
投稿: ムムリク | 2006.10.17 15:17
ムムリクさん、こんばんは。
あら、文庫になる予定だったのですか。もう少し我慢すればよかったなぁ。
ちょっとネタバレっぽくなって、ゴメンナサイね。
投稿: 涼 | 2006.10.17 18:00
いえいえ、何度読んでも幸せなのがこのシリーズですから、問題ありません。
投稿: ムムリク | 2006.10.18 14:52
ムムリクさん
若旦那が、ちょっとしんみりする話もあります。大人?に、なったのかなぁ。
投稿: 涼 | 2006.10.20 06:44