【向田邦子を旅する】
向田邦子を旅する(Magazine House mook) | |
出版 マガジンハウス 発売日 2006.7 定価 \1,500 (本体 : \1,429) ISBN 4-8387-8302-7 bk1で詳しく見る |
スタイルのある上質な暮らしを楽しむ生活の名人で、いまなお多くのファンを持つ作家・故向田邦子のライフスタイルを様々な角度から紹介する。82年刊クロワッサン別冊「向田邦子の手紙」をもとに再編集。〈ソフトカバー〉
本書は1980年発行のクロワッサン別冊の内容を再録再編集し、新しいものも加えて2000年9月に発行されたもの。
始めから順に読んでいく本とは違い、気の向くまま開いたページのグラフを眺める。添えられた文章を読む。心豊かになる瞬間だ。
まず、「向田邦子の12の鍵」と題して、食・おしゃれ・猫・旅・手紙・愛用品・写真・贈り物・音楽・友だち・書画骨董・部屋について書かれている。
若い頃来ていた服もあれば、向田邦子の手紙、向田邦子へ宛てた手紙の写真もあり、故人を偲ぶよすがになる。
次に、「向田邦子ともう一度、話したい」のコーナーでは、生前交流のあった方達の話。
久世光彦や加藤治子、若いところではいしだあゆみ、岸本加世子らが書いている。
そして次が「向田邦子の男性鑑賞法」という、雑誌「アンアン」に1976年から1977年にかけて掲載された連載もの。
根津甚八がいる、五木ひろしがいる。神和住純を
布施明をもっと大要に当て風にさらしゼイ肉をはぎ取って、精悍俊敏にすると、こういう感じになるかもしれない。と言い、佐々木小次郎を連想している。
倉本聰へは手紙の形で思いを述べ、角川春樹を戦争ごっこに勝った男の子と言ってのける。
そのインタビューを受けた男達からの後日談がまた良かった。初めて向田さんに会った人も、会見のことは鮮明に覚えているという。
会見後に本を読むようになったという三遊亭右京さんは「一度でいいからぼくの噺を聞いてほしかったな」という。
新橋に「向嶋」という小料理屋がある。向田さんが妹和子さんと開いていたお店「ままや」で20年間板前をしていた人が開いたお店だ。
久世光彦の「触れもせで」にも出てくる「サツマイモのレモン煮」といったメニューもある。
向田邦子を旅する
2006年9月1日発行第6刷
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コメント
向田邦子さんを旅する本なんですね。
向田さんは、私にとって憧れの存在です。
是非、この本で旅したいな・・・と思いました。
投稿: ぽっかぽか | 2006.11.15 06:24
ぽっかぽかさん、こんばんは。今日は出かけていて、お返事が遅くなりました。
表紙の写真だけでなく、若い頃からのたくさんの写真が掲載されています。
おしゃれな向田さんの様子がよく解る、お勧めの一冊かもしれませんよ。
投稿: 涼 | 2006.11.15 18:28